20/08/08
土
ブックカバーチャレンジ最終日 … SNS投稿記事より転載
■ブックカバーチャレンジも最終日となりました。トリは食べ盛りの男子高校生の弁当箱のような厚さ6cmの大著・黒ダライ児『肉体のアナーキズム』(2010年)。いまどきそんな男子高校生がいるかどうかはさておき。
■本文532P、脚注・索引・あとがき100P、年表135P。戦後日本美術界の動向のなかで、あくまで周縁的なものと見られてきた(?) 、しかし先鋭的な "地方の" "消えもの(直接行動、ハプニング、パフォーマンス等)"にフォーカスし、どこまでも深堀りした驚異の書です。
消えモノについて語る時、必ず引用・援用されるのがアリバイを証明するエフェメラの存在。この本1冊まるごとエフェメラ屋にとっての鉱脈と云って間違いない。小店、読んでおくのが当たり前の書物です。ところが。
熱量のこめられた本は読む側の力量をも試すものですが、これまでに挫折すること2度、この度のコロナ禍を奇貨とすべくただいま3度目の挑戦中。一向に頭に入ってこない固有名詞の上を行きつ戻りつしながら、依然、文字通りの道半ば。カバーは疾うの昔に行方知れず、背の角には傷をつけるし、背と束の接着がとれそうな予兆さえあり、読了する頃にはどれだけボロボロになっていることか…私のアタマが悪いばっかりに哀れな姿になってしまいました。
理解できないままに書物を読む。一見、この意味のない行為はしかし、とても大切なことなのだと古本屋になって気付きました。 いつ、どこで、どのように役に立つかもわからないことのストックが力になる。意味はあとからついてくる。たぶんね。
明日も『肉体のアナーキズム』との格闘を続けます。ブックカバーチャレンジは今日でお仕舞いですが、古本屋である限り、書物との格闘はこれからも続きます。
7日間お付き合い下さいましたみなさま 本当に有難うございました!