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22/01/15 おまけ と 装飾のデザイン !

■オミクロン株の急拡大でまた見通しがたちにくくなってきました。小店では、引き続きアポイント制で、ご入店いただく人数を調整させていただければと思っております。
また、お客様が重なった場合など、ご入店まで少しお待たせすることなどもあるやも知れません。
ご不便をおかけし大変恐縮に存じますが、引き続きご理解・ご協力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

なかなか買う気が起きない2022年ですが、これは珍しいのではないかというので、久しぶりに気持ちが動いたのが今週の一点目、20世紀初頭、欧米のメーカーが、セールスプロモーション用の“おまけ”として煙草やお菓子につけていたトレーディングカードとみられる小さな印刷物のコレクションです。昨年還暦を迎えた小店店主が子どものころ、男の子が熱心にあつめていた「仮面ライダーカード」のようなものだと思って下さい。といってももはや分からない方が多そうですが。それはさておき。
今回入荷したのは、「Emblema Corsiente(=コルシカのエンブレム)」と題されたシリーズ約550枚。このうちほぼ8割が欧州各地王侯貴族の紋章(エンブレム)のデザインを用いたものです。何ゆえエンブレム? かは分かりませんが、確かにデザインとしてはかなりしゃれてます。
厚紙をエンブレムにふさわしく変形フォーマットに型抜きしたり(四角形以外のトレーディングカードの例が他に思い出せませんでした…)、金や銀を使ったものが多いなど贅を凝らしつつ、しかし印刷や紙質などにはあくまで素朴な味わいがあるのも、捨てがたい魅力となっています。
紋章以外では偉人・聖人、風景や鳥など。草花や絵皿をモチーフとしたものはエンボス加工が施され、とくに絵皿のシリーズはリアルで、ミニチュアを思わせる出来です。
全点裏面には解説テキストあり。 

1シート36点収納のファイリングシートに入れて販売する予定。
画像はランダムに抜いた36枚+6枚ですが、シートによってはもっと白が強かったり赤が強かったりと多様。どれを選ぶか、いずれにしても1点きりの早いもの勝ちとなります。店頭でご覧いただければ幸いです。
あ! 「コルシカのエンブレム」のネーミングは謎だし、 一体何のおまけだったのか分からないし、と分からないことだらけ。何かご存知の方がいらっしゃいましたらご教示のほどよろしくお願いいたします。

■最近、一次資料がほとんど出てこないので、かわりにせっせと戦前和洋図案ものを買っております。但し、木版やリトグラフ、ポショワールなど、オリジナルであることが入札する条件
画像2点目は昨年末に再入荷、やっと値段をつけ終わり、明日より漸く店頭に出す図案。再入荷といっても前回はかれこれ20年くらい前のことになるでしょうか。入荷のチャンスはやはりそう度々あるものではありません。
タイトルは『Nouvelles Compositions Décoratives』キュビスム時代のフランスのモダン図案集で、ポショワール(ステンシル)の未綴じのプレートをポートフォリオに収めたもの。著者は1920~30年代に建築家、デザインナー、グラフィックアーティストとしてフランスで活躍したセルジュ・グラッキー(Serge Gladky)。とくにキュビスム様式の抽象的デザインで成果を残した人で、この作品集は彼の代表作とされています。
入荷したのはシリーズ1とシリーズ2の2冊分で、1925年~30年前後の発行
シリーズ1は反復する抽象表現で構成、シリーズ2は動物や鳥、魚などをモチーフに大胆にデザイン化した作品集となっています。
入荷した時点でプレートに欠けがあったためバラ売りで。イメージサイズがほぼA4と額装するにも扱いやすいサイズです。

昨年読んだもののなかで、一番びっくりした記事がこれ。去年のことかと思ったら2012年のことでした。
「時を止める「タイムホール」生成に成功」
「40ピコ秒(1兆分の40秒)の間、時を止める」ことができたという記事。
ちいさなちいさなちいさな……どこまでの小さなこの一歩が、しかしいつか、大きな一歩へとつながっていくんだろうなと思います。科学は面白い。
https://wired.jp/2012/01/06/%E6%99%82%E3%82%92%E6%AD%A2%E3%82%81%E3%82%8B%E3%80%8C%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%80%8D%E7%94%9F%E6%88%90%E3%81%AB%E6%88%90%E5%8A%9F/?fbclid=IwAR2ObdbhzEz_mERXc6PNWRXnwvQKZvX_xWvWE3A20aFew94XDRPnA_KbGwU
 

 

22/01/07 2022年もよろしくお願い申し上げます!

■まだ ぎりぎり松の内ということで 先ずは新年のご挨拶を申し上げます。

あけましておめでとうございます
2022年もお引き立てのほど 何卒よろしくお願い申し上げます


コロナ禍下でのこととはなりましたが、昨年はお陰様で店主は還暦を、日月堂は25周年を迎えることができました。
これも偏に 歩みが遅くとり得の少ない小店と気長にお付き合い下さいましたみなさまのお陰によるものと、改めて心より御礼申し上げる次第です。
26年目に入った2022年、新年初売りは明日1月8日(土)12時よりとさせていただきます。
来週より火・木・土曜日のそれぞれ12時より19時で営業いたします。
オミクロン株感染の急拡大もあり、当面は引き続きアポイント制とさせていただきます。ご不便をおかけいたしますが、ご理解・ご協力を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

お知らせが遅れて申し訳ございません。未だに時々お問合せをいただいております「銀座 古書の市」ですが、2022年1月も開催見送りとなっております
また、催事に代わる試みとして昨年実施した「古書目録福袋」について、今年は小店は参加を見送りました。昨年より参加店舗数は少し減っておりますが、有志による目録発行を予定しておりますので、ご希望の方は親しい古書店にお問い合せしてみて下さい。
2009年「銀座 古書の市」初参加以来、2021の「目録福袋」まで、毎年年末年始は即売会や目録発送等準備に時間を割いてきたので、今年のお正月は十数年ぶりに仕事に追われず過ごすことができました。
何もしなくて良いとなると、人間(なんて拡大解釈していいのかどうかはさておき)何もしないで過ごせるもので、会計資料を整えること以外、実に何ごともないお正月でした。
人間ぼおーっとしていても朝日は上り、夕日は落ちて一日なんてあっと云う間に過ぎていきます。無為な時間を過ごすのは苦痛でも何でもないばかりか、なかなか心地よいものであることを痛感。還暦を機に、仕事のペースを落としていくための好機となったように思います。
が。しかあっし!
お正月の分はきっとどこかで帳尻を合わせることになっているんだろうなという黒い予感でいっぱいの2022年初売り前日であります。 


■画像1点目はお正月に合わせた小店入り口平台の陳列。壁に飾ったドローイングは小店でお求めいただいた局紙を支持体に、朱赤の漆で描いた「Taupe D.Motoike」のデザイナー・本池大介さんの作品。開いた状態で置いてある大きなファイルはキモノの図案の原寸大設計図集。
響き合うクラフツマンシップを店頭でご覧下さい!
それにしても、日月堂の店内はどうしてこうもおめでたいのか ……

画像2点目は、何故か売り難く、手元に残していた紙もののなかからピックアップした年賀状。今年は売ります。全て槇本楠郎宛て
画像左2枚は長谷川時雨主宰・女人芸術社(赤坂檜町3)名で出されたもの。1935・36年がそれぞれ1通で、宛名面は「女人芸術社」名となっているものの、すでに雑誌『女人芸術』が廃刊になっていたこの当時、表側に刷られた名義は「輝ク会」であり「女人連盟」となっています。
右側一番上のヨコ使いの1枚は「メリーさんのひつじ」「ジングル・ベル」「ロンドン橋」の訳詞などで知られる作詞家・高田三九三(さくぞう)からのもので、「お正月」(「子供のうた」より)の詩が使われています。
下段左側の縦使いの1枚は“ドーワザツシ「夢の国」社”から。童話雑誌だという『夢の国』も、年賀状に標記されている東京高輪南町の“「夢の国」社”も詳細は不明ですが、年賀状のデザインのクオリティはなかなかです。
下段右端、薄桃色のは高田三九三からのもので、こちらは自著『子供のうた』を自主出版した「シャボン玉社」名義
あとまわしになってしまいましたが、槇本楠郎はプロレタリア児童文学の主導者のひとりで童話作家、詩人、評論家として戦前に活躍した人。何度も病に倒れた槇本の最盛期・1936~1937年の文学的交流の断片を物語る歴史のカケラたちです。

■2022年は、昨年出せずじまいだった自店目録を一度出せればと思っております。
26年目の日月堂を、また1年、どうかよろしくお願いいたします。

 

 

21/12/25 2021年の〆に 久しぶりにデザインとプロパガンダの資料が揃いました!

■M!DOR!さんのお店番イヴェントでは、多くのお客様にご来店いただき、本当に有難うございました。一気に花が開いたような二日間の後には、あっという間にまた地味な古本古紙屋に戻っております。
年内の店の営業も残すところ12月25日(土)と28日(火)のみとなりました。
「それ、いまですか?」とは思いつつも、この両日はご予約なしとさせていただきます(誠に恐縮に存じますが不織布マスクの着用をお願いいたします)。新年向きの木版刷りの吉祥図案などもご用意して ご来店をお待ちいたしております。何卒よろしくお願い申し上げます。
表参道の交差点にはカルティエのクリスマス・ディスプレイが登場。今週1点目の画像は"映えスポット"(?)として人気を集めた2021年のXmas風景です。

Merry Xmas!!!のご挨拶とともに新着品のご紹介。2021年もこれでお仕舞い。
1点目はグラフィク・デザインに関係していた人が資料として蒐集したとみられる素材をあつめたスクラップ帖。出品されていた状況から、旧蔵者は東京府立工芸学校で学んだ関根芳男という人ではないかと推察しています。
蒐集した素材は、戦中から概ね敗戦直後の1940~50年代初期までの印刷物で、僅かながらデザイン原画が含まれます
対象となったのは新聞の突き出し広告からパンフレット、リーフレット、DM、パッケージデザインまで多岐にわたりますが、集めた人のセンスの良さによって、非常に珍しい紙モノが多数含まれているのがミソ。
その筆頭が画像のなかにもある日本工房の『NIPPON』の日英併記の出版案内。余程気になったのか、2種類各2点ずつ、それぞれ見える面を変えて貼り付けています。 

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*所有者以外による画像の転載、複製、改変等はこれを固く禁止じます。

また、力強いタイポクラフィでひときわ目をひく「MEIJI」というのは戦前、主に洋雑誌の取次で力のあった「明治書房」の商品目録。この冊子は2010年に一度扱って以来、目にしたのはこれでまだ2度目。冊子に関する詳細は、最初に入手した際に詳しく紹介した記事がありますので下にアドレスを貼っておきます。デザインは金丸重嶺だったらしい。因みにこの時は落札直後にドイツの同業者に拉致されて海を渡っていきました。参考資料として手元に残しておくべきだったと後悔したのを覚えています。
http://www.nichigetu-do.com/navi/info/detail.php?id=497
この他、スモカの新聞広告、キングタバコの小型ポスター、ヤマサ醤油の変形チラシ、サクマ式ミルクチョコレートのパッケージ同型色刷チラシ、おこさまがたの出世保険案内、ニッケメリヤス変形広告、森永チョコレートのポップアップカード、資生堂化粧品デーの広告切り抜きといった戦前のものから、アメリカ製ハーシーチョコレートやチクレットのパッケージ等、敗戦直後に日本に入ってきたものなど、目立ったものだけでも枚挙の暇がありません。あまたあるスクラップ帖中の白眉、とまではいかないまでも、トップクラスに近い内容だと思います。
4冊一括での落札だったのですが、とりあえず持ち帰った1冊だけでもこの調子。他の3冊も遜色ない印象だったので、ほぼ同等の内容はあるのではないかと思います。
細かい点は25日の入荷後に確認しますが、当面は一括での販売を考えております。

■新着品2点目は今年8月末に落札してからというもの、可能な範囲で資料にあたってみたものの、最終的に詰めきることができなかった戦中写真の一群です。
旧蔵者は高名な研究者で、有難いことに手書きのメモがついていました。
入札時に添付されていたそのメモ書きによれば、「山端瑞玉の主宰する写真通信社G.T.SUN(海軍参謀本部の特約機関)の山端写真研究所の記録庫にあった写真資料」。B5前後のサイズで17枚あり、この内の2枚の裏面には、確かに「山端写真科学研究所 大東亜写真文庫」のスタンプもあります。
メモによれば、1941年秋の豊後水道沖・海軍大演習の記録が多く、この時期、『FRONT 海軍号』を準備中だった「東方社の木村伊兵衛らのカメラマンが演習等に従軍して撮影」したと云います。メモでは他に坂口任弘、中央工房の光墨弘の名前を挙げています。 

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*所有者以外による画像の転載、複製、改変等はこれを固く禁止じます。

メモではまた、こうした写真は「山端写真科学研究所(写真通信社G.T.SUN)でネガの現像プリント引きのばしを行い、海軍省の検閲を受けるシステム」下に置かれており、17枚中の1枚に残されている白帯部分は検閲によって伏せられた部分だと指摘、「この種のプリントはめったに市場に現れない」と結んでいます。
大筋のところは多川精一の著書『戦争のグラフィズム-回想の「FRONT」』とも一致しており、素直に読むと①木村伊兵衛が撮影した写真が含まれているか、②東方社の『FRONT』のいずれかの号に使われている写真か、といった可能性を伺わるものでした。
ところが。復刻版FRONTで全号にあたるも17枚の写真と部分的にでも一致するような痕跡は皆無。従って、"FRONTに掲載されている木村伊兵衛撮影のオリジナル写真プリント!"として(←FRONTか木村かどちらかひとつでも良かったのに)売ろうという夢はこれで潰えました。
それでもまだ、木村撮影の写真の有無については断じることはできません。
メモにはまた、「これらの写真は海軍省出版物につかわれた」と書かれており、この点を確かめるには、海軍省或いは海軍省に関係して発行された膨大な数の刊行物にあたるのか? と、眼前の壁のあまりの厚さにしばし呆然としましたが、デジタル時代を生きる古本屋にはまだうつ手が残されているではないか!というわけで次にやってみたのが"片っ端から画像検索してみる"ことでした。
画像検索によって2点の写真と合致するデータを発見。さすがは21世紀!
ひとつは「laststandonzombieisland」というブログ。船上での武道練習を写した「巡洋艦 柔剣道」という写真がまるまるそのまま使われています
https://laststandonzombieisland.com/2014/11/25/martial-arts-on-japanese-warships/?hcb=1
もうひとつが「現代ビジネス」というサイトに掲出されている下記の記事。こちらは写真プリントでは「カッターの練習」と題された画像の一部を切り取り、「漕走するカッター。「名取」沈没後はこの小さなカッターに1隻あたり60名もの生存者がひしめきながら、600キロ近くを漕ぎ切った」というキャプションが添えられており、少なくとも一度は何らかの媒体に意図的に利用されたもの-プロパガンダにはありがちな手法ですね-を引用した可能性を伺わせます。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/68602?page=4
それでも木村は出てこない。どこにもひとつも出て来ない。何故だ!? どうする!
こうなると読んでるみなさんはむしろ、どうしてこうも東方社や木村伊兵衛に拘泥するのかと思われているかと拝察します。
何故か。実は画像中下左端の写真、「写真整理」と題されているのですが、木製の衝立に「写真課日課表」が貼り出されたこの写真中、向かって左の人物が木村伊兵衛によく似ているから。とすれば東方社がらみの資料か?というわけです。
実際、今泉武治は『FRONT』のための写真を選びにフォトサービスに出かけたことを日記に残しています(『復刻版FRONT』参考資料より)。
販売価格にこだわるあまり、ああでもないこうでもないといじくりまわした約4ヶ月でしたがここでギブアップ。2022年に持ち越すことはせず、売りに出すことにしたいと思います。
旧蔵者のメモから繰り返すと、この手の写真が市場に出てくるのは非常に稀。それだけは保証いたします。

※付記 写真プリント17枚中16枚に裏面にタイトルと整理番号の書き入れがあります。
また、山端写真科学研究所は写真家・山端祥玉が経営していたジーチーサン商会を1943年に改称したもの。

サンタが日本に到着したのと丁度同じ頃、東京の南部では雨が降り出しました。サンタさん、今年はちょっとお気の毒でした。
明日からの寒波到来でとくに日本海側では大雪に対する警戒が呼びかけられています。太平洋側でも積雪の可能性が指摘されるなど、全国的に荒天が予想されています。オミクロン株の市中感染も各地で報告されるなど、2021年はなかなか安穏には過ぎていってくれないようです。
そうでなくとも何かと気忙しい年の瀬です。
どうかくれぐれも安全第一・健康一番で、良い年をお迎えください!
2021年は本当に有難うございました。
新年初売りは1月8日(土)とさせていただきます。
明くる年も何卒よろしくお願い申し上げます。 

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