#205 6-1-6 Minamiaoyama Minatoku TOKYO
info@nichigetu-do.com
TEL&FAX:03-3400-0327
sitemap mail

new arrival

13/03/09 来週は営業日にご注意下さい!  新入荷は恩地孝四郎の版画小品と絶滅危惧種・タバコにまつわる紙モノ


Warning: getimagesize(http://nichigetu-do.deci.jp/img/info_thumb/1362760222985.jpg) [function.getimagesize]: failed to open stream: HTTP request failed! HTTP/1.1 404 Not Found in /home/users/2/deci.jp-nichigetu-do/web/common/php/new_arrival.php on line 60
1362760222985.jpg

四折用に面付けされているので、下段2面は頭が下になっています。下段左側6行が、恩地による「作者言」

■今週は先ず、営業日に関するお知らせを。来週、店の営業は3月14日(木)と16日(土)の2日とさせていただきます。通常なら営業日にあたりる12日(火)はお休みをいただきますので、どうかご注意下さい。週2日の営業という もはや「店をやっている」とは云いづらい - はははははは - 来週ではございますが、ご来店を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

耳付きの和紙に片面木版刷、それを四つに折っただけの紙ペラ。『詩と版画 建艦献金作品集成 大東亜の花ごよみ一 こまくさ』と題されたこの作品を、当初私は出版広告だとばかり思っていたのですが、調べてみるとどうもこれが立派な本編。尾崎喜八の詩に恩地孝四郎の木版画を添え、この二人を著者として版画倶楽部が昭和18(1943)年に発行したものです。
「建艦献金」という副題が示す通り、当紙1枚の頒布価格50銭の内、15銭を軍艦建造のための献金するというもので、いってみれば戦時体制への協力の一環。ですが、尾崎の「こまくさ」は夏山を彩る高山植物・こまくさに題材をとった至って静かな詩であり、恩地孝四郎の多色刷木版画も こまくさの可憐な姿を写したもので、作品として見れば「建艦献金」とは縁遠い穏やかな作品となっています。それだけに、「建艦献金」の謳い文句は、この小さな作品を発行するための方便だったとも考えられ、恩地による「作者言」中に「急な刊行」とあるあたりからも、出版には何かしらの事情がからんでいたことを思わせます。
『大東亜の花ごよみ』はこの「こまくさ」を第1集として、同じ年の間に第2集「山百合花」(熊谷守一画、佐藤一英詩)、第3集、「紫陽花」(鈴木信太郎画、千家元麿詩)が発行されているようですが、残念ながら小店では未見。タイトルや版画家の名前から推測して、続く2集以降も、表現としてはおそらく戦時色とは程遠いものだったのではないかと思います。


Warning: getimagesize(http://nichigetu-do.deci.jp/img/info_thumb/1362760246507.jpg) [function.getimagesize]: failed to open stream: HTTP request failed! HTTP/1.1 404 Not Found in /home/users/2/deci.jp-nichigetu-do/web/common/php/new_arrival.php on line 80
1362760246507.jpg

上は表紙、下は中面に糊付けなしで収容されているタバコカード。カード裏面にはカードのシリーズ全点のリストが印刷されています。

昭和18(1943)年といえば、恩地が『虫・魚・介』『草・虫・旅』を発行した年。主要著作と同年に発表された『こまくさ』は、これらに比べて非常に小さな作品ですが、また、これらに比べて入手の難しい作品でもあります。
恩地孝四郎については今週もう一冊、『博物志』の裸本が1冊入荷します。

■画像の処理も最近はちょっと飽き飽きとしてきておりまして、今週2点目はこれまでとは少し趣を変えてみました。変えてみましたがだからといって捗捗しい効果が得られたわけでもなく何だと云われると返す言葉がない。うう。我ながら、なぁんにも ならなかったな…うっ。
ま、たまには、こんなのも、ということでご海容を賜ることとさせていただきまして、こちらは20世紀初め、アメリカのタバコ会社が発行していたいわゆる「タバコカード」専用の蒐集帖に、当時の国別の紋章を、ムダにふかぁ~いエンボス押しと金を含む多色刷であしらったカード全48枚を1枚の欠けもなく収めてあります。アメリカのタバコ会社のタバコカード … ファシズムに擬するのは大袈裟だとしても、タバコ狩りの急先鋒・アメリカからタバコが姿を消す日というのも全く来ないとは云いきれない昨今、この1冊ももはや絶滅危惧種への道を歩み始めている気がします。

今週はこの他、海外ガイドブック10冊が既に、また、米国ブックマッチのカバーを集めた『アメリカン・マッチカバーコレクション』シリーズ3セット戦前の時計のカタログ、同じく戦前のカメラと周辺商品のカタログ1冊、戦前の旅行専門誌『新旅行』6冊水引の見本帖他図案集など4冊が明日、店に入荷いたします。

■あれから2年を迎えようとしています。2011年の今頃はまだとても寒かった。今年は一足飛びに春到来といった陽気ですが、被災地の復興も、フクシマの収束も、到底一足飛にびとはいきません。せめて今年は東北にも、花の季節が早く到来いたしますように、心からお祈りいたしております。

13/03/02 クラプ化粧品が贈った卒業記念サンプル商品セット / 本命ではないけれど『最近のソヴェト建築』


Warning: getimagesize(http://nichigetu-do.deci.jp/img/info_thumb/1362161050510.jpg) [function.getimagesize]: failed to open stream: HTTP request failed! HTTP/1.1 404 Not Found in /home/users/2/deci.jp-nichigetu-do/web/common/php/new_arrival.php on line 60

■3月が春一番を連れてやってきました。春一番の少しうしろには、あたたかな陽光を従えているはずです。重いコートから解放される日もそう遠くはないでしょう。ウン十肩との決別は……まだちょっと先でしょう。やれやれ。
3月は、いつもよりたくさん、昔のことを思い出す季節です。「つまらない紙きれ1枚に振り回されるような人間になるな」と教えられた日のことや、「いま、ここにいる人たちが、全員揃ってまみえる日は2度とやってきません」と告げられた日の明るい教室の様子を思い出します。あれから約35年。1枚の入札用紙に振り回され、1枚の印刷物の値踏みに猛烈に悩み、二度三度とお顔を合わせることになるお客様の数が異様に少ない店をやっている…… かつての恩師の言葉は、まるで後の私を見越していたかのようで、うう~む。人生落第。
それはさておき。新着品です。
取りいだしますのは縦15cmほどの小ぶりな箱。「クラブ化粧品」のロゴと、お嬢さんの横顔が配されたとてもモダンなデザインです。蓋を開けると出てくるのは、クラブ化粧品の主力商品のサンプルと美容関係の小冊子のセットでした。箱の中での収まり具合、そして未使用品が残されているところから見て、比較的配布当時に近い状態で残されていたものではないかと思われます。
面白いのは箱の右上の貼られた小さな札。よく見ると「御卒業遊ばされましたお目出度う存じます/お祝ひのお印までに自製品数種お贈り致します/御試用下さいませ」というご挨拶文、そして「大阪市浪速区永崎町  クラブ化粧品本店 中山太陽堂」の社名及び「和11年3月」という時代まで明記されています。つまり、いまから77年前の女学校の卒業生に向けてクラブ化粧品・中山太陽堂が自社製品の試供品を詰めあわせて進呈していたものだということが分かります。未使用・未開封の試供品も多く、全体的に状態も良好。


Warning: getimagesize(http://nichigetu-do.deci.jp/img/info_thumb/1362161077779.jpg) [function.getimagesize]: failed to open stream: HTTP request failed! HTTP/1.1 404 Not Found in /home/users/2/deci.jp-nichigetu-do/web/common/php/new_arrival.php on line 80
1362161077779.jpg

画像中、オレンジ色の用紙は当書のカバー

お肌のお手入れと化粧方法、商品説明など、小冊子は「化粧」を中心としたものですが、試供品は 円形の「クラブはき白粉」、箱入りの「美身クリーム」「美の素石鹸」「クラブ練歯磨」、袋は開封されているものの内容品が残っている「白色美肌料 カテイ洗い粉」、残念ながら中味が石鹸に換えられてしまっている「薬用モンココ洗粉」というラインナップで、化粧品と一緒に家庭向けの商品も。婚期が早かった時代だけに、主婦予備軍に対するアピールも考えられたものと思われます。
画像中の1点、小さな乳白色の瓶をよぉーく見ると、ラベルには「KAGASHI CREAM」とあり、これはクラブ化粧品製品とは別でした。調べてみるとどうやら丸善の化粧品部と関係のあった「カガシクリーム」のサンプルであるらしい。改めて並べてみると、この「カガシクリーム」だけ、ちょっと無骨な感じがしてきませんか?
■建築ファンタジア だけでgoogleさんにお伺いを立ててみると、件数は272,000件で、心強いことに結構ある!よしよしとちょっとスクロールしてみようかと思ったら … 何ですか、3件目に“『建築ファンタジア』に先立って翻訳されていたチェルニホフ…古書日月堂”だとお~。がっくり。古本屋間では有名でも、一般にはほとんど全く知られていない感じですね。
で、この本を買おうなんていう人はすでに少なくともチェルニホフの『建築ファンタジア』は知っているはず。とすれば、ま、この本についてはその周辺書籍として基本的な書誌情報だけで充分ですね。実を申しますとただいま日月堂猛烈に眠たかったりもするものですから。
邦題『最近のソヴェト建築』。昭和9(1934)年、ナウカ社発行の初版本1933年、当時のソ連国立出版局造形芸術部から発行されたエル・ヒーゲル(ロマン・ヒーゲル)の著書『ソヴェト建築思想』と、同じ年ヤコフ・チェルニコフ編で連邦国際書籍連邦から発行されていた『建築ファンタジア』をナウカ社の訳編により1冊にまとめたもの。いずれも図版部分の転載が含まれています
長年、一度は扱ってみたいと思いながら機会と資金に恵まれない『建築ファンタジア』。昨年9月に入荷した『ソヴェートロシヤ新興建築学のイデオロギー的原理』に続く当書の入荷で、三度目の正直 ! 次こそ!!! 本命といきたいものですが、さて、どうなりますことやら。
今週はこの他、1950~60年代フランスの美容専門誌『VOTRE BEAUTE』約40冊、ワイン、ウィスキーなどアルコールのボトル・トップ・コレクションファイル3冊画面左上、キャビネット上陳列品参照)などが入荷しております。

13/02/23 アール・デコのポショワール・図案プレート集が久々の入荷 / 写真アルバムはまたしてもの入荷、戦前の上海が息づいています


Warning: getimagesize(http://nichigetu-do.deci.jp/img/info_thumb/1361552787288.jpg) [function.getimagesize]: failed to open stream: HTTP request failed! HTTP/1.1 404 Not Found in /home/users/2/deci.jp-nichigetu-do/web/common/php/new_arrival.php on line 60
1361552787288.jpg

カラーのプレート12葉は全てポショワール=ステンシルの技法で彩色。画像中、中央の上段のグリーンがポートフォリオ。

■今週月曜日に開催された「中央市会大市」では、大市では珍しく15点を落札。してしまいまして。それにかわって組合にお納めするべきものは …… 黙考 …… 黙考 …… 黙考 ……してみたところで事態は全然改善されるわけがないので、一刻も早く商品を回転させるべくお仕事するのが正道というもの。そんなわけで今週は、大市からやってまいりました新入荷品です。
専用ポートフォリオにポショワールの図案プレート12葉を収めた『idees』。扉のプレートに記載されている情報によると、著者はジャック・カミュ(Jacques Camus)という人で、より正確なタイトルはシリーズの存在、あるいは予定があったことをうかがわせる『idees 1』というもので、パリの版元が発行 - ということまでは分かりましたがそれ以外に手掛かりはゼロ。何だかよく分からないまま買ってくる古本屋ってどういう商売なんだという根幹に関わる疑問は回避しておき、流れは当然のように検索へと向かうことになります。
先ずは書誌データ。記載されていない発行年度は1922年が定説のようで、ポショワールのプレート12葉に、タイトルページ1葉が付いた全13プレートで完揃い。元装のポートフォリオは上製、色はグリーンで金箔押した題箋が貼られている、ということが判明。小店入荷の当品が、初版・完本であることが分かりました。
著者であるジャック・カミュについては、「画家・デザイナー」ということ以外、あまりよく分かりませんでしたが、当時としてはモダンな幾何学的な意匠を得意としていたようで1920年代に『idees』以外にも何冊かのプレート集を出版しているようです。他のプレート図案を見ると、1920年代半ばにフランスで盛んに出版された図案プレート集同様、植物や生物といった有機的モチーフを幾何学的反復に落としこんで趣味がいいんだか悪いんだか、ちょっと判断に困るような作品も多いように見受けられますが、その中にあって、『idees』のデザインと色彩、そしてポショワールの技術は、一頭地抜きん出ているように見えます。この『idees』、実際、第一次世界大戦中から大戦後にかけてヨーロッパで起こった装飾美術における変化を表す好例として紹介するサイトもあり、海外の古書業者さんたちがお国柄に関わらず、揃いにしろプレート分売にしろ、なかなかよいお値段をつけていている所以も、どうもこのあたりにありそうです。
尚、『idees 1』に続いてどうやら『idees 2』までは発行されたらしく、未見の後続巻が気になってきました。


Warning: getimagesize(http://nichigetu-do.deci.jp/img/info_thumb/1361552757095.jpg) [function.getimagesize]: failed to open stream: HTTP request failed! HTTP/1.1 404 Not Found in /home/users/2/deci.jp-nichigetu-do/web/common/php/new_arrival.php on line 80
1361552757095.jpg

写真は左上から時計と反対まわりに 支那ノ上流クーニャン、苦力青年、上海式家ノ親子、支那下流人種、支那ノ風俗其ノ八(めかしこんだ青年)、支那人ノ芸人 等

つい2週間前のこのページで、写真アルバムは買っても売れないんだと書いたばかりだというのに。今回の大市の落札品中、最も落札価格が高かったのが古い更紗で装丁されたこの写真アルバム。写真紙焼き113点が全て戦前の上海周辺および朝鮮に関するもので、とくに上海の上流階級の家庭・家族と、反対に路上に展開されていた風俗とを切り取った写真は珍しく、また、例えばどんな靴を履いていたのかなどお金もちのおしゃれぶり、露天商にはどのようなものがあったかなど、非常に興味深い情報が詰まっています。時期については詳らかにしませんが、おそらくは大正から昭和のごく初期のものと思われます。
以下、どのような写真が含まれているか、写真に添えられているキャプションを挙げると
*現在では著しく不適切かつ差別的な用語が多数含まれていますが、時代を映した記述としてそのままを記します-枕売小娘、朝鮮人商売婦、上海式倉庫住家、支那ノ曲芸者、上海家大工、上海クーニャン、上海良家家俗、盛リ場ノ行商人、大通リ売卜者、支那名妓梅蘭芳、農夫ノ街ニ花売、蒙古美人、高粱脱穀碾、上海式豪華新郎新婦、平京線路上ニテ支那人ノ行商、支那名代安馬車、上海或倉庫持主、支那人靴直シ、支那上海式或ル大富豪氏邸、支那女農人草花水散…といった調子。
時々唐突に「倉庫」というのが何度か繰り返し現れるところ、上流階級と交流があった様子などから、アルバムの元の持ち主は中国の物資に興味をもっていた日本人ではないか…と、いくら考えたところで休むに似る小店店主のお粗末なオツム。
■今週はもう一点、このページ左上の「営業日案内」で「京都 神谷柄見本」を簡単にお目に入れて打ち止めとさせていただきます。
他にも洋雑誌『VOTRE BEAUTE』4本口、ベルリン・オリンピック表紙を含むブレーメン号船内メニュー6点岡本太郎・署名入リトグラフ1932~1933年独仏米の音楽会・エンターテイメントのプレイガイトおよびプログラム類ファイル1冊板垣鷹穂の戦前著作美本2冊などが入荷、さらに是非、画像とともにご紹介したい続きの品物についてはいずれまた!

recent catalogue C by image