上から時計と反対回りに ①先行してご注文を受け付けている合同目録 ②一見するところ普段とそう変わりない店内だが ②一部通路にはすでに足の踏み場はなく ③いよいよ縛った本の山が店内に登場 かくして1月23日より「第29回 銀座 古書の市」が始まります。
■小店がここ数年、年に一度だけ出店している古書即売会が、いよいよ来週始まります。先ずはその催事とそれに伴う営業スケジュールについてのお知らせです。
「第29回 銀座 古書の市」
松屋銀座8階イベントスクエアにて
1月23日(水)より1月28日(月)まで、会期中無休
各日10時~20時(最終日17時30分閉場)
先行して発行・配布されている参加店全店の合同目録掲載品よりいただいたご注文で、他のお客様とご注文が重複した場合の抽選は会期前日の1月22日に行います。ご注文はできるだけ1月21日(月)中にご連絡いただけますようお願いいたします。事前にご注文がなかった商品については、会場で展示販売いたします。
会期中、会場では、これら目録掲載品以外の古書・古本・古雑誌はもとより、石版刷やポショワールの各種プレート、絵葉書・マッチラベル・古い包装紙など紙モノに至るまで、1点100円から多数ご用意いたしました。
また、書画骨董・軸もの、古写真・古文書、和本・刷りもの等々、参加各店の専門分野に沿って出品される多様かつ個性的な商品を、一堂に会してご覧いただくことができるのも即売会の大きな魅力(参加店については是非→こちらをご覧下さい)。
普段、店の営業は週3日が基本の日月堂ですが、即売会期間中は日月堂も無休、現地で販売にあい務めます。この機会に是非、会場までお運び下さい。何卒よろしくお願い申し上げます。
■この即売会への出店に伴い、1月20日(日)より1月30日(水)まで、店の営業並びにインターネットによる在庫品の通信販売はお休みとさせていただきます。また、当サイトの更新も、来週は1回お休みさせていただきます。ご不便をおかけいたしまして誠に恐縮に存じますが、どうかご理解を賜りますようお願いいたします。
■画像は1月18日現在の店内の様子。キャビネットの手前から見ると一見何てことない普段の店内なんですが、ひとたび店内奥へ踏み込もうものなら …… 搬入する品物で通路は塞がれ、振り向けば縛られた本や雑誌が山を成し - でもこれ、あくまでその一部。実際にはこの3~4倍の荷物がほぼできつつあります - 即売会直前の様相を呈しておりますが、明日・1月19日(土)はフツウに営業いたします。また、1月31日(木)からは通常営業に戻ります。「日月堂は店もやってる。」のだということなども、たまぁ~には思い出していただいて、その内の何度かは実際に足を運んでいただけたりなんかいたしましたら幸せというものでございます。
テキスト部分の装飾・組版も洗練された『タブロー・ド・パリ』1927年発行・限定200部本 挿画は上から時計と反対まわりに ①シャルル・マルタンのポショワール ②パスキンの銅版画 ③ルオーの石版画 挿画は糸綴じをはずされてしまった状態ですが、プレート20点の揃いです。
■新着品のご案内は今週は1点に絞り、駆け足で。1927年にパリで限定200部(特別版25部を合わせると225部)が発行された『TABLEAUX DE PARIS(タブロー・ド・パリ)』。両大戦間期の輝ける都市パリを、そこに集まっていた才能を結集し、彼らによる文と挿画とで描きだそうとした素晴らしく贅沢な書物です。挿画は20点で、全て石版画、銅版画、ポショワールなどオリジナル。それらを手掛けた画家の名前は、ルオー、ユトリロ、マティスなど、いまや世界的な画家を筆頭に、エコール・ド・パリを彩った藤田嗣治(刷面署名入)、マリー・ローランサン、スゴンザック、パスキン、ヴァン・ドンゲンなど綺羅星の如く、で、がために、私の愛好するシャルル・マルタンがひとつ格下に見えてしまうほどの美術の王道メンバー。画像中、エッフェル塔を塔の上空から描いたポショワールのプレートがマルタンの作品なのですが、ここでマルタンのためにひとつだけ言い訳をしておきますと、この大胆なパースペクティブは、飛行機と写真とを組み合わせた航空写真-20世紀初頭に生み出された新しい視点-を自らのものとした、マルタンのセンスと才能を余すところなく伝えているものではないか。と思われるのであります。
モンマルトル、モンパルナス、カフェ、パリのエトランジェといったタイトルの並ぶ文章も、ポール・ヴァレリー、ジロドゥ、ポール・モーラン、ヴァレリー・ラルボー、コレット、マッコルラン、ヴィルドラック、フランシス・カルコ、そしてジャン・コクトー等、高名で、何よりパリを描くのに似つかわしい作家が揃えられました。
エコール・ド・パリの時代、そして、フランス挿画本の黄金期に相応しい、オールスター・キャストによる画文集は、版画20点が全て本来糸綴じであったのがはずされていること、それによって作品を保護する薄葉紙が一部欠落していることなどから、当書完本の相場からすると廉価での販売を予定。版画部分を額装したい方には、むしろ好都合となりそうな1冊です。
■寒さ厳しき折、みなさまにはくれぐれもご自愛の上、松屋銀座でお目にかかれますように!
*先を急ぎます。ないはずのない誤字脱字等、何卒ご容赦下さいませ…!
■松の内もとぉ――――っくに過ぎて、世の中「すっかり日常」に戻ったところにいまさらなにではありますが一応
2013年 迎春
ついでのようであれですがこの時節のご挨拶も
寒中お見舞い申し上げます
店は今週月曜より、すでに営業を始めております。また左の画像「第29回 銀座 古書の市」の目録もぼちぼちお手元に届きはじめたようです。「今年も相変わらず誰も来ないなウチの店。」と思いながら数日して気が付きました。
そうか!HPを更新しないと「初売りは1月7日の予定」としか書いてなかった……。
改めましてご案内申し上げますと、今週から1月26日(土)まではいつも通り火・木・土曜日の各日12時~20時で営業いたしております。切羽詰まりつつ続いております「銀座 古書の市」の準備のため、店内はずいぶん“ざっくりした状態”(←詳しくは申しません)となっておりますが、ご来店いただければ幸甚に存じます。尚、「第29回 銀座 古書の市」の日程等についてはこちらをご覧下さい。
店よりずっと開放的な即売会、“お試し”には絶好のチャンスです。というのはマジメなおハナシ。
■さて、その一方で店には新着品も到着。今週は点数が多い分、品名羅列を怒涛の勢いで。先ずは、1960年代から主に草月アートセンター系の現代音楽、コンクリート・ポエムに親しまれた方が大切にしていたファイル1冊。そこに収められていた貴重な紙ペラ=エフェメラを見ていくと - 【Attention please! ここから先暫く、ご関心のない方にお読みいただくのは単なる徒労或いは苦行となるだけです。お心当たりの方は次の■印まではすっ飛ばしていただけますようお願いいたします。<(_ _)>】
(1)第1回東京現代音楽祭パンフレット(1960年 朝日新聞社他主催 杉浦康平デザイン) 武満徹「弦楽のためのレクイエム」他
(2)第2回 日独現代音楽祭 現代ピアノ音楽の夕べ パンフ&プログラム(1968年 東京ドイツ文化研究所他主催 杉浦D) 武満徹+杉浦康平「ピアニストのためのコロナ」、コンタルスキー兄弟来日 画像左より2点目
(3)SACジャーナ32 演奏家集団New Direction定期演奏会2(1963年7月発行 志村和信D) 座談会「図形楽譜の問題 今回の作品を中心に」(一柳慧・高橋悠治・秋山邦晴他)等
(4)SACジャーナル34(1963年12月発行 志村D)
(5)マース・カニングハム来日記念 ジョン・ケージ デーヴィッド・テュードア演奏会 パンフレット(1964年 草月アートセンター主催 神田昭夫D) 画像左端
(6)白南準[ナム・ジュン・パイク]作品発表会 来場者向け印刷物(1964年 草月アートセンター主催 神田D) 一柳、小杉武久、小野洋子、赤瀬川原平、中西夏之他…日本のフルクサス+ネオ・ダダ!!! 画像中央・茶紙
(7)New Direction定期演奏会5 チラシ、チケット半券 (1964年 草月アートセンター主催 神田D) 芥川也寸志、一柳、高橋、秋山、熊谷弘、小林健次他
(8)SAC[草月アートセンター]会員証 No.899 画像左下・オレンジ色の紙片
(9)映画「砂の女」チラシ、チケット半券(1964年 みゆき座 粟津潔D)
(10)具体詩展 チラシ、チケット半券、SACジャーナル具体詩展特集(1964年 草月アートセンター、ブラジル文化センター他主催) L.C.ヴィニョレス、北園克衛、新国誠一、藤富保男、一柳他 画像右から3列目・白紙にモノクロ印刷(チケットには落款)
さらに 『美術手帖』よりオーケストラルスペースの特集部分とソノシート、『音楽芸術』附録ソノシート「武満徹<水の曲>」、『デザイン』よりコンクリート・ポエムの特集部分(画像左端縦2点)など、グラフィック・デザイナーだった旧蔵者が自分自身のために腕とセンスを揮ってあつらえた私家版といった体裁の9点を収容しています。
ほかにもたくさんあったはずのコレクションは、年月を経て友人知人同好の士、はたまた後輩の手に委ねられ、それでも手放さずにきた=つまり厳選されたエフェメラだけを集めたこのファイル、それ自体が1冊の、しかも唯一無二の書物のようにも見えてきます。どうしようかとしばし悩みましたが、ひとまずは全点一括での扱いとさせていただきます。
■先のファイルが見立てによる世界に1冊の書物なら、こちらはそのまんまストレートに世界に1冊しかない本。画像中、表紙・見開きとも横に細長いのがそれで、タイトルは『鳥居昌三詩集』。1967年の制作という記載があります。詩人・鳥居昌三が雑誌『VOU』などに発表した詩を集めてまとめたものですが、タイトルページに始まり本文46Pに至る全頁の罫線から詩文、加えて所々に挿入されるカットや挿画も、はたまたオブジェとロシア切手をあしらった革装の造本まで全てこれ、黒川佳哉という人の手により成ったもの。黒川佳哉とは何者ゾ、というのでケンサクしてみたところ、何と出て来たのは日月堂のHPだけ(→こちら。これを書いている本人、この時のことを完全に失念しておりました…)という超マイナー。ご興味をお持ちの方は併せてご覧下さい。
もう一冊、ブルー革装の冊子風の書物は『yamamoto kansuke carte postale』と題された鳥居昌三の手によって作られた手製本で、日本を代表するシュールレアリスト・山本悍右の展覧会の案内状と作品をあしらったポストカード-展覧会に合わせて商品化されていたものでしょうか-を本に仕立てたもので、こちらは限定3部本です。1987年の山本逝去の翌年・1988年に制作されたものと見られます。
かくして先行きの危ぶまれるディープな品筋からのスタートとなりましたが、2013年も、みなさまどうぞよろしくお願いいたします!
■少々気が早いのですが、先ずは
Merry Xmas!
- ということで最初の画像は、入口近くに設けている、小店の扱う商品としては非常に分かりやすいものを集めたコーナーにあって、人の気を引くこと一切ないまま1年が経過した子ども向けの教材プレート集よりそれらしいところをピックアップしてみました。イヴからクリスマスにかけて、今年は寒さも厳しくなるようですが、素敵な時がみなさまに訪れますように!
■当新着品の更新も、今年はこれがラスト。次回お目にかかるのは年が改まってからとさせていただきます。年内、店の営業は12月22日(土)、25日(火)~28日(金)の5日間、26日(水)は開店時間が遅れそうですが店での作業を予定しておりますので、在席している間は店内もご覧いただけます。その他の営業日は12時から20時と通常の営業となります。
12月29日(土)より1月6日(日)はお休みをいただき、2013年の初売りは1月7日(月)の予定。休暇中はこまかい紙モノを持ち帰り、せっせと商品化に努めるつもりでおります。紙モノ好きのお客様には年明けを楽しみにお待ち下さいませ。って毎年結局休みは内職。
■画像2点目は新着品にして小店からのささやかなクリスマスプレゼント。『COLOURED LANTERN SLIDES』といって要は幻灯機を通して映写して見せるガラスの種板で、副題に『JUNIOR LECTURERS’ SERIES』とある子ども向けの読み聞かせスライドの内、これなら大人でもたいてい喜ぶに違いない『ALICE IN WONDERLAND』=不思議の国のアリスより「気違いお茶会」と「タルトを盗んだのは誰?」の章をそれぞれ8枚のガラス絵にしたセット。絵は、“アリスならやっぱりこの人でしょ”のジョン・テニエルの挿絵を下敷きにしています。
専用の函は経年並みと目される状態ですが、ガラス板それ自体は汚れやシミ、ガラス欠けも絵の欠けもないほぼ完璧といってよい状態です。と、状態までご紹介いたしましたのは他でもない8枚入り1箱での販売するため。先にクリスマスプレゼントと申しましたのは何のことはない、ここにアップした画像、画像だけ のことであります。ふう~む。2012年も小モノで終わるはずだぁねぇ。
■ただいま午前3時過ぎ。これを書き始めたら今晩は寝てられなくなるのでできるだけ短く済ませたい。1967~1970年頃の演劇関係パンフレットで、新宿「アンダーグラウンド蠍座」及び「アートシアター演劇 新宿文化プロデュース」の公演、草月会館での『堂本正樹演出リサイタル』及び『フェスティバル律』の公演パンフレット。『堂本~』を除くと全て縦長で、新宿方面の10種12冊は全て小島武のデザイン。いわゆるアングラ演劇にしては贅沢に感じられる観音開きも多用、巧みにレイアウトされた写真は石黒健治の作品。コクトー、ジャン・ジュネ、ヨゼフ・トポル、ルロイ・ジョーンズ、三島由紀夫などの作品を加賀まり子、山口崇、石橋蓮司、蟹江敬三、山谷初男、平泉成といった個性的な若い俳優が演じたアングラ芝居は、1970年前後、カウンターカルチャー華やかなりし頃の忘れ形見といった感もありますが、衣裳に「川久保玲」のクレジットを見つけて少なからず驚いてしまいました。今回落手したパンフレットから、1968年と69年にそれぞれ最低でも1作には関わっていたことが分かります。「コム デ ギャルソン」を立ち上げるのと前後して、こんな仕事をしていたんですね。
思えば舞台というもの、バレエ・リュスの当時から、実験の許される場ではありました。あ。こちらでは他に武満徹が音楽を手掛けた作品もあります。
金坂健二、堂本正樹、岡井隆などによって開催された『フェスティバル 律』、加藤郁乎と池田満寿夫に土方巽(!)らを加え「降霊館死学」なんていうのを上演した『堂本正樹演出リサイタル』まで、新宿方面に比べるとこちら赤坂はすこぉ~しトーンが弱まりますが、とはいってもいずれ劣らぬ対抗文化の王道。オタク文化と似て非なるカウンターカルチャーが、果たして今後いつ、日本で息を吹き返すのだろうかと考えると、間違いなくますます「レア」となるであろう時代の痕跡です。
■今週はこの他、映画関係者の書簡約45通、柳澤健旧蔵ラジオ放送関係資料1袋、柳澤健遺稿集編纂関係者葉書一括、戦前高級婦人雑誌『婦人グラフ』6冊、戦前海外観光絵葉書・アルパム7冊分(!)、鳥居昌三関係詩集6冊、吉村益信・オリジナル作品2点などが明日には店に入ります。鳥居昌三、吉村作品などは後日改めて当ページでご紹介いたしますのでいま少しお待ち下さい。
■というわけで2012年もこれでお仕舞い。この1年もまた、多くの方たちにお買い上げを賜り、そればかりかご指導・ご教示いただくなど、色々とお世話になり、本当に有難うございました。ご多忙のうちにお過ごしのことと存じますが、みなさまどうかお風邪などお召しになることなく、ノロウイルスにも注意し、インフルエンザ対策もばっちり決めて、どうかよいお年をお迎え下さい!あ。まだ年内、店もやってます!