#205 6-1-6 Minamiaoyama Minatoku TOKYO
info@nichigetu-do.com
TEL&FAX:03-3400-0327
sitemap mail

new arrival

09/11/07 『銀座細見』の装丁はあのルネ・ラリック…? そして日月堂は印刷工房に鞍替えか…?


Warning: getimagesize(http://nichigetu-do.deci.jp/img/info_thumb/1257523639487.jpg) [function.getimagesize]: failed to open stream: HTTP request failed! HTTP/1.1 404 Not Found in /home/users/2/deci.jp-nichigetu-do/web/common/php/new_arrival.php on line 60
1257523639487.jpg

安藤更生著『銀座細見』(初版)は昭和6年・春陽堂の発行。後ろ側、黄色地に市松模様に見える赤い部分は「銀座」の文字の反復。手前・本体の装丁はコティの白粉のパッケージのパクリで、もととなったパッケージのデザインを手掛けたのはルネ・ラリック。

■11/5の締切に銀座松屋の即売会の目録データを無事渡して少しだけ肩の荷も降り- 残る準備作業のことはせめて数日棚上げにしたいので - 今週も市場へ。もぉ~ちろん、新着品もございます。最初は昭和6年・春陽堂発行、安藤更生著『銀座細見』(初版)。画像で後ろになっているのが黄色い紙に赤文字で“銀座銀座銀座…”と果てしなく反復される強迫神経症的デザインのカバー、その手前がカバーの下から現れる書籍本体の装丁。で、この本体の装丁ですが、小店のお客様にはパリ仕入れの際の定番品としてご承知の方も多い、パフをモチーフにルネ・ラリックがデザインしたコティの白粉のパッケージと、そうです。まるっきりおんなじ引き写し。銀座=モードの尖端=舶来=コティ=ラリックという一体どのあたりまでが記号と化していたのか、いやむしろ、『銀座細見』を見てきたおのぼりさんに、銀ブラの途上、目につくはずのコティの白粉商品から装丁の意趣に気付いてもらおうというたくらみだったのか、いずれにしても、当時多くの人にとって憧れの対象だった一種の記号が一見素っ気ないカバーの下から現れるという趣向、いま見てもなかなか粋なものだと思いますよ春陽堂さん。
店のバックヤードに設けられた通路が、在庫を整理してやっと本来の機能を果たすようになったばかりだというのに。こんなものを行李二つ分(!)買ってしまったらここに至る格闘も水の泡な新着品がこちら。行李二つ分(くどいようですが「!」 )、全て、一点の曇りもなく「お茶」に関するものばかりという広告・商標の版木並びに活版印刷用図版凸版。気が遠くなるので数は数えませんでしたが(しかも市場の途中)有象無象数百はあると思われます(…………)。


Warning: getimagesize(http://nichigetu-do.deci.jp/img/info_thumb/1257523666393.jpg) [function.getimagesize]: failed to open stream: HTTP request failed! HTTP/1.1 404 Not Found in /home/users/2/deci.jp-nichigetu-do/web/common/php/new_arrival.php on line 80
1257523666393.jpg

数百点一挙入荷となった全て「お茶」に関わる広告・商標の版木並びに活版印刷用図版凸版から。左右は主に茶道を教えるもので木口木版の版木からの試し刷り。真ん中は戦後・金属凸版による印刷版で茶筒に巻きつける紙用か。

で、画像の真ん中は金属板を木の台に打ちつけた戦後の活版印刷用、茶葉を詰めた筒缶に巻き付ける紙用かと推察。画像左右はおそらく戦前の、茶道教材本に使われた図版でこちらは木口木版の版木から不肖・日月堂あるじが自宅に持ち帰りこんな図版ですとお目に入れるべく刷り出してみたもの。ヘタです。右側一番上の茶懐石の図などひじょーに愛らしい。なのにヘタ。残念。さて、この有象無象をどうするか、ですが、こうなると古本屋業を一時休止して印刷工房でも始めようかという勢い。といいますのも、カフェや雑貨屋さんなどアンデパンダン=独立した個人経営系のお店にとって、そのまま包装紙、袋、ショップカード等々何しろ使えるものが多く、正直、古本屋より稼げそうなので。あっ。年賀状にだって使えるし。といったところでまだ松屋の準備もあり、店主は刷るのがヘタときておりますので、とりあえずバラ売りの予定。値段を付けたものからせっせと新しいキャビネットに収納してご覧に入れます。小店になり代わって行李二つから印刷工房志願という方には積極的に“おまとめ販売”もいたしますので、ご転身などご志望の方にはこれを機に、ひとつ、ご検討を賜りますよう……(って、それは押し売り)。


Warning: getimagesize(http://nichigetu-do.deci.jp/img/info_thumb/1257523688947.jpg) [function.getimagesize]: failed to open stream: HTTP request failed! HTTP/1.1 404 Not Found in /home/users/2/deci.jp-nichigetu-do/web/common/php/new_arrival.php on line 100
1257523688947.jpg

1950~1960年代の『The New York Times Magazine』。報道写真、広告図版に優れたものが多い割にほとんど知られていない雑誌(下左のフォードの広告は余白の赤と商品の白のバランス、同じく白いウサギと競わせるアイデアなど秀逸。実はいま店頭で最も売れてほしくない商品)。

■キャビネットといって思い出しました。今週、キャビネットの引き出しのほとんどが「紙モノ」に入れ替わりました。戦後の百貨店や不二家等の包装紙、唐長製京唐紙、20世紀はじめフランスのユーモラスな写真絵葉書1950年代のアメリカの新聞など。この他、1950~1960年代の海外旅行パンフレット・地図類、同じくチケットや領収証、1920年代フランスの印刷見本など、値付け終了次第キャビネット入りの新着品も控えております。お客様にお手間をおかけいたしますのは大変恐縮ではございますが、小店キャビネットはご自分の手で! ご自由に! 引き出してご覧ください。はい。そうです。キャビネットをご覧いただかない限り、小店の半分も見ていただいていない。ということになりますので。
しつこいぞ私は。ご覧いただいたことにならないと云って思い出しました。画像にとりましたこちらの雑誌、1950~1960年代の『The New York Times Magazine』です。週刊ペースで発行された新聞社発行の雑誌は、タブロイド紙を使っていい感じの古び方。しかも、アメリカの優れた報道写真多数・よき時代のカラー広告多数、で、中面も表紙もご覧の通りなかなかのもの。ケネディーだった普通に登場。それなのに。中までご覧下さった方はこの数週間でまだたったの数名。ううむ。確かに「なにそれのカリスマ。」だとか「選書家。」だとか、そうした人たちが口にしたこともない雑誌であり、「有名なグラフィック・デザイナー」が手がけたわけでもないフツーの雑誌ではありますが。しかし。これは「もったいなかろー」というので画像でのご紹介と相成りました。『銀座細見』のカバーの下に隠された記号ではありませんが、実体のあるモノはいつも非常に複雑な表情を持つものです。『The New York Times Magazine』にしても、並べるのは苦しいものの小店の特徴のひとつであるキャビネットにしても、自ら働きかけることでしか、その複雑な表情は姿を現わさないものです。人から聞いたことのない、ネットからは得られない、そんな何かを先ず最初に自分自身で手に入れる。古本屋という仕事がどこか面白そうに見えるのだとすると、まだまだ駆け出しの私を含めた古本屋が、日々そうした体験を市場を通じ、お客様のお宅に伺っては積み重ねているからなのではないかと思います。知る前に見る。教えられる前に発見する。リアルな空間としての店では、そんな楽しみを味わっていただきたいと切に願うものであります。「定評のある高名な商品が、ほぼない。」そんな困った店に間違って足を踏み入れたあなたには- “いまやアクションあるのみ!”なのであります。 

09/10/31 「バレエ・リュスと日本人たち」ご連載第6回をアップ ! 久しぶりの市場からは恩地孝四郎の『博物志』も到来。


Warning: getimagesize(http://nichigetu-do.deci.jp/img/info_thumb/1256919115701.jpg) [function.getimagesize]: failed to open stream: HTTP request failed! HTTP/1.1 404 Not Found in /home/users/2/deci.jp-nichigetu-do/web/common/php/new_arrival.php on line 60
1256919115701.jpg

恩地孝四郎の随筆と自身で撮影した写真からなる『博物志』。『飛行官能』とまではいかないものの、恩地孝四郎らしいモダンで瀟洒な仕上がり。

■お待たせいたしました。月末の定番、沼辺信一氏のご連載「バレエ・リュスと日本人たち」第6回分を10月30日付でアップいたしました! 山田耕作におけるバレエ・リュス体験を追跡した「ベルリンの青春」第4回目では、山田の意外な行動に驚かれる方も多いはず。ニジンスキーの「牧神」で熱気に包まれた劇場から夜のベルリンの街へ。山田の視線と行動とを、感情を差しはさむことのなく精査していく沼辺氏の記述は、むしろより強く若き日の山田の姿を浮かび上がらせるところがあって、読む者に迫ります。当初予定の紙数を大幅に超えて深められた山田耕作のバレエ・リュス体験を、みなさまも是非ご堪能下さい。
三週間ぶりとなった市場で。「HPが更新されてるんで、とりあえず生きているんだと確認しました。」と仰るご同業が数人。なかには「更新されなくなったら店に行ってみなくちゃと思ってました。」とまで云って下さる方もいて、つまりは安否の確認にもお役立ちだったんですなこのHP …… 今週もとりあえず生きてる証拠に恒例の新着品のご紹介です。最初は恩地孝四郎の『博物志』(昭和17年・玄光社刊 初版)。タイトルが示す通り、「植物」「動物」の二章に、極短い「ZOO」と題した章を付し、それぞれ随筆と恩地自身が撮影した写真とで構成されています。『飛行官能』刊行から8年、おそらくは戦時下ということもあるのでしょう、『博物志』にはテーマそれ自体に『飛行官能』時とは大きく隔てられた自閉とか屈託の影を感じさせられますが、本のノドと地の側に余白を多くとった文字組み、写真毎にサイズを微妙に変え、


Warning: getimagesize(http://nichigetu-do.deci.jp/img/info_thumb/1256919135911.jpg) [function.getimagesize]: failed to open stream: HTTP request failed! HTTP/1.1 404 Not Found in /home/users/2/deci.jp-nichigetu-do/web/common/php/new_arrival.php on line 80
1256919135911.jpg

作成者のハイ・センスがしのばれる戦前商標を蒐めた貼込帖。グリコ、森永エンゼル、仁丹、味の素、ベルベット石鹸…で、モンパリピンとは一体何ゾヤ。

ものによっては組写真をあしらうなど、細やかな配慮が行き届いたデザインはさすが恩地、モダンの粋は衰えていません。画像は当書中「タマムシ」のページ。“偶然タバコ缶の上においたのが面白かったので”撮った写真に添えられた随筆は、早くに喪われた田中恭吉の回顧に始まり、失われていくものへの哀惜を綴るものとなっているのは、時代への静かな抵抗とも読めそうです。
■経本仕立て、9×13cmの小さな「ALBUM」を開いてみると、戦前の商標がたくさん貼り込まれていました。スクラップ帖ほど、旧蔵者のセンスが分かってしまうものはなく、片面に名刺大の商標ばかりを細工など施さず、おそらくは商標自体を厳選した上で貼り、片側には小さな商標部分だけを切り抜き、構成にも配慮して貼り込んだこの「ALBUM」の旧蔵者はなかなかのセンスの持ち主、裏表紙に貼られている「4A K.UCHIDA」の正体が気に掛る一冊…「…なんていうワケの分からないものより分かりやすくて一般的にウケものを買わないとダメでしょうねぇ、折角少しは入りやすい店になったんだから」という親身のご指導を移転以来たったの数週間のうちにどれだけ頂戴してきたことか。仰る通りだと思い、「そうそう。やっぱ売れ筋。売れ筋ですよ。」と言い聞かせて市場に復帰………


Warning: getimagesize(http://nichigetu-do.deci.jp/img/info_thumb/1256919153472.jpg) [function.getimagesize]: failed to open stream: HTTP request failed! HTTP/1.1 404 Not Found in /home/users/2/deci.jp-nichigetu-do/web/common/php/new_arrival.php on line 100
1256919153472.jpg

絹織物の奥義書『THEORIE DE TISSAGE』は全て手書きの一冊本。背革装・4cm厚にとじこめられた流麗なカリグラフィ、丹念かつ美しい図解など、現物・全頁を是非店頭でご覧下さい。

■………したはずなのに。よりによってこれって何?どーゆーこと? 『THEORIE DE TISSAGE』。全頁テキストは手書きで流麗なカリグラフィー、楽譜かと見紛うものあり・幾何学に通じるものあり、の、これまた手書きの図面・図解…というのでついつい買ってしまったフランスの『機織り法』という一冊。ところどころ貼り込まれた生地見本から見て、絹織物の奥義書といったものらしく、非常に込み入ったセッティングから糸の運びまでを、相当数の柄ゆきに応じて解説した本-ではないかと。思われます。全て手書きでありますから、いうまでもなくこの世に存在するのはこの一冊きりの貴重書。フランス語が読めればいまは失われてしまった技術が記されているやもしれず、研究書としても貴重。なはず。いやしかし。正直なところあんまり綺麗なんで買ってしまったわけで。これって一体どんな人が買って下さるのか。私にもさっぱり分からない。今週はこの他、恩地孝四郎編・木版画入『日本の花』、『NIPPON DESIGN CENTER 1960-1965』、白っぽいところで芸術・人文関係書約20冊などが新着品となります。




09/10/23 11月5日(木)までは店内放任状態か…? 時間はなくとも新着品はあります少し。


Warning: getimagesize(http://nichigetu-do.deci.jp/img/info_thumb/1256303606311.jpg) [function.getimagesize]: failed to open stream: HTTP request failed! HTTP/1.1 404 Not Found in /home/users/2/deci.jp-nichigetu-do/web/common/php/new_arrival.php on line 60
1256303606311.jpg

1967年、フィンランドの鉄鋼メーカー組合が発行したPR本『FINNMETAL』。Juha Anttinenという人のデザインで、ロシア・アヴァンギャルド、バウハウスなどの戦前の新興写真タッチとミッド・センチュリー・テイストとの混じり合い具合が絶妙。

■年末に参加させていただくことになった百貨店即売会の目録締切を11月5日に控えているために、今週折角ご来店いただいた方々には雑談の暇もなく、大変失礼をいたしました。移転終了から間もなく目録締切と続くため、古本屋になって以来これほどの忙しさはなかったという慌ただしさに、メールへのご返信も遅れております。いま少し、お時間をいだけますようお願いいたします。一方でこの状況というのは、店主が目録掲載品とニラメッコしている分、お客様には店内商品をごゆっくりご覧いただけるという非常に稀な期間ともいえまして(…はははは)、ご来店の好機としてお勧めする次第、みなさまどうかよろしくお願いいたします。
といったところで今週の新着品から。店頭買い取りでお客様から持ち込まれるご本の中には、しばしば思わぬ発見があるもので『FINNMETAL』もそうした好例。1967年にフィンランドの鉄鋼メーカー組合が発行した英文のPR用資料集で、ハードカバーの書籍の形態がとられています。数値データと各章リード部分を除くと、ほぼ全ページ工場風景や最終製品の写真とビジュアル処理とで構成されています。レイアウトはJuha Anttinenという人。1950~1960年代にフィンランドで活躍したデザイナーで、1950年代にはフィンランド航空のポスターなども手掛けています。ページによって紙質を変え、紙の色を変え、図版によっては粒子を荒らし、1/3を残して断ち切ったページあり、袖を折り込んだページあり…といったいかにもお金をかけた構成で、往時の鉄鋼業界の勢いをうかがわせます。鉄と工場-小店好みのツボをおさえてのお客様の到来に、またしても、市場では見落としてしまいそうな本の存在を教えられました。


Warning: getimagesize(http://nichigetu-do.deci.jp/img/info_thumb/1256303627094.jpg) [function.getimagesize]: failed to open stream: HTTP request failed! HTTP/1.1 404 Not Found in /home/users/2/deci.jp-nichigetu-do/web/common/php/new_arrival.php on line 80
1256303627094.jpg

レオポール・シォヴォ作・画、山本夏彦訳、昭和22年発行の『年を歴た鰐の話』。戦前、大人の洒落本として山本夏彦が日本に紹介したところ、童話と間違われて売れているようだ…といったことを山本夏彦自身、冒頭で書いています。

■福音館発行・出口裕弘訳でいまも読めるレオポール・ショヴォ作・絵『年をとったワニの話』、こちらは文藝春秋社から復刻版も出ている日本初訳となった桜井書店版・山本夏彦訳『年を歴た鰐の話』の昭和22年発行・第4版です。ネット上、たいへん親切に添えられる現行書の「利用対象」は「小学生」とあって、すっかり童話として扱われておりますが、ショヴォの作品の魅力に惚れこんだ山本によれば、“作者は「無意味」といふ武器で、近代の知性に挑戦して、読者を自在に翻弄している”のであり、“通人の洒落本とも云ふべき”本書は、“童話として世に転々し、その悉くが破れ、棄てられ、一部が好事家の手に帰することを庶幾するのが賢明”だと書いております。昭和16年の初版発行から大戦下を経て当書発行の昭和22年まで4回も版を重ねる程度にはきちんと売れながら、しかしこの本がなかなか古書市場にも出てこないのは、山本の喝破した通りの命運を辿ったものが多かったからなのかも知れません。ごく短いお話の中で何度も複雑骨折を重ねていく皮肉な物語の運びはやはり大人の笑いに近い気がします。絵は全てモノクロの線を重ねて描かれており、これまたお子様にはあまり受けそうにない、けれどとっても洒落たものばかり。まだ紙が配給制だった時代の粗悪な紙に印刷された大人のためのナンセンス絵本は、一体どんな人が大切にしていたのか、この当時としては比較的良い状態での入荷となりました。今週はこの他、ファッション系、デザイン系と傾向はある程度まとまっているものの、まだほとんど内容をつかめていない書籍がダンボール箱で3箱分ほどあり、何が出てくるかは明日からのお楽しみ・面白そうなものから順次店に出していきたい…と思っておりますが、目録が先か。品出しが先か。それが問題で。

recent catalogue C by image