新店舗の内観 画像左端より時計まわりに 1.ロゴも一新した入口扉 2.合計3つに増えたキャビネットと磁石の使える壁面 3.自立する本は深い棚に ポスターもかけられるように 4.バーターで入手したペンキ屋さんの脚立はかなり自慢 5.さらに自慢の根津美術館借景(自慢は他力本願ばかり…) 6.四方に開く引き出しを開けながら店内を回遊していただこうという趣向
■10月12日(月)・体育の日の12時、お陰様で移転先での新たな一歩を踏み出しました。今回の移転では設計・施工、印刷物のデザイン・進行、本から雑多なものまで縛って包んで移動する引っ越し作業と移転先での収納・陳列作業、さらに跡地の清掃まで、実に多くの方たちに支えていただきました。移転に関わって下さったみなさまに改めまして深謝申し上げます。オープン初日にはたいへん多くのお客様にご来店いただくことができました。小店の行く末を案じて駆けつけて下さったみなさま、本当に有難うございました。日本戦後美術史の重箱の隅のそのまた隅をつつくような企画にも関わらず「事件を起こせ!」の展示販売商品をひとつひとつ熱心にご覧下さったお客様のご様子は、今後の何よりの励みとなりました。ブログを通して、或いは知人・友人の方々にと、小店オープンをお知らせ下さったみなさまのご尽力には、いまも大いに助けられております。オープン以来5日を経て、そのひとつひとつの有難さを噛みしめております。本当に有難うございました。店の本当の力を試されるのはまだまだこれからです。ご指導ご鞭撻、ご教示にご贔屓、ご厚誼ご芳情はもとより叱咤激励アメとムチと、ひと通りとり揃えていただきました上で、今後とも末永いお付き合いを心よりお願い申し上げる次第です。何卒よろしくお願いいたします!!
■このトシで12日連続深更までの仕事が続くとさすがに心身ともに応えたとみえ起き上がれず、今週は金曜日の市場を休みましたが新着品はすでに棚の中にありまして。企画展の陰に隠れていたようなので店の棚ごとご紹介いたしますと、ポール・イリブによる反ファシズム・反全体主義の諷刺画集『Parlons Francais』(1934年)、ジャン・コクトーのオリジナル・リトグラフによる詩画集『Drole de menage』(1948年)、山名文夫の私家版作品集『唐草幻想』、『恩地孝四郎初期抽象作品展』『奥山儀八郎展』『1930年代の版画家たち 谷中安規と藤牧義夫を中心として展』やバウハウス関係等展覧会図録、北園克衛関係者・研究者による貴重な資料となりつつある『kit.kat+』創刊準備号、「MINORU」…どうしてミノル? か意味不明?な、しかし鉛に彩色した駒(文字通り)がいい味の戦前の競馬ゲーム(海外輸出向け商品の日本版)、この他、紀伊国屋書店が戦前に刊行した文芸雑誌『詩法』と美術誌『アルト』などが入っております。紙モノでは、戦前フランスの絵葉書が高さにして20cm分ほど、1950年代の海外観光関係印刷物など、こちらは値段をつけ終わり次第、随時店頭でご紹介いたします。
■オープニング記念「事件を起こせ! 1950s~1970s 戦後日本・前衛美術の青春期」の展示販売は明日・10月17日(土)で終了となります。在庫商品については一旦全て取り下げますのでご了解いただけますよう。また、来週から今月末までは小店勝手に「大ロシア展」と題しまして、実際にはキャビネット2台分+αというぜぇーんぜん「大」などといえない規模なのですが、1910~1930年代ロシアの芸術・デザインにまつわる商品を展示販売いたします。キャビネットAの引き出しには今年で誕生100年となるディアギレフのバレエ・リュス オリジナル・プログラム21点を中心にそれに関わったアーティストの作品集などを、キャビネットBの引き出しにはマヤコフスキー主宰による雑誌『レフ』の第2号、対外宣伝誌『U.S.S.R』、カール・リープクネヒトの生涯を描いたロシア絵本などを中心に、『戦旗』『前衛』などそれらに影響を受けた同時代日本の雑誌・書籍などを収めてご覧いただきます。折しも埼玉県立近代美術館では「ロシアの夢 1917-1937 ロシア・アヴァンギャルドのデザイン」展が開催中。ご興味をお持ちの方は是非この機会にご来店下さいませ。-それにしても何でしょうかねぇ。戦後日本の前衛美術に戦前ロシアのアヴァンギャルドって。店が折角新しくなったというのに全然一般的じゃない。いまどき流行らない思想・理念系。 従って全く売れない路線。- を、懲りもせずまたしてもひた走り始めてしまった気が…(黙)。よくも悪くも変わらない日月堂であります。
■先週末、オープニング記念・展示販売企画「事件を起こせ! 1950s~1970s 戦後日本・前衛美術の青春期」の出品リストを誠に勝手ではごさいますが約200名の方にのみご送付させていただきました。店のオープン企画という性質上、あくまで出品商品の一部を先にお知らせするもので、図版なし、価格記載なしとさせていただいております。すでにお問い合わせ等頂戴いたしておりますが、初日に全点展示、店頭販売優先となります旨、予めご了解賜りますようお願い申し上げます。尚、事前にお申し込みをいただきました商品で、初日終了時点で在庫がありました商品につきましては、在庫状況・お取引条件等こちらからご連絡させていただきます。移転期間中で連絡等とりにくく、ご返信が遅れる場合がございますが、この点何卒ご容赦の上、お目に留まるものなどございましたらお問い合わせ下さいませ。何卒よろしくお願い申し上げます。
■10月8日(木)、内装施工のほとんどが整い、無事引き渡しとなりました。画像は明日からの棚入れ・陳列を待つ店内の様子の一端です。いまは細かいことを書くのは差し控えますが、この一週間、とりわけ7日、8日の二日間は、設計をお願いした建築家・古谷清寿さんから「佐藤さん、ちょっと見てきて下さい」といわれ、207号室と205号室との間の23歩の距離を移動する度に、驚きの連続でした。たった23歩の距離を歩く度に、けれどその距離は途轍もなく大きな距離となってゆきました。私が判断に迷っている時、やはり建築家の古谷玲子さんがいつも、「それでいいと思います」という力強い言葉で背中を押して下さいました。曇りひとつなく磨き上げられた窓越しには、台風一過の青空が清々しく広がっています。これまでの倍ほどに間口が転がった移転先のベランダ側では、根津美術館の新築オープンで借景まで整いました。施工業者さんの引き渡しが終わった後も、ひとり夜半まで残って納得のいくまで手を入れ続けて下さった清寿さんが、いよいよ帰路につかれた背中は、どこか寂しげに見えたのは私の感傷なのかもしれません。けれど、知識と知恵と体験に基づく創造によってかたちづくられたものが、出来あがった途端に全て人の手に渡ってしまう建築家というお仕事は、思えばどこか切ないものだと、今回初めて気付かされました。生まれたばかりのこの空間が、最も美しい瞬間とは、しかしこちらが手を入れる前の、誰もいない・何もない・いまこの一瞬以外の何時でもないと、私にはそう思えます。オープン当日まで、移転先の完成に近い店内画像はアップしない予定でいたのを、急遽変更しての今回の更新は、トルク一級建築士事務所・古谷清寿さん・古谷玲子さん、並びにこの小さな店づくりのために力を注いで下さった沢山の誇り高き職人の皆様へのせめてもの御礼にと考えたからです。といったところでしかし、常に最低限の予算で最大限の要求をつきつけた施主からの、またしても随分と安直な御礼となりました。ほんとうにすみません。魂には魂でしか応える術はない-というのは我ながら言い訳めいておりますが(…いや言い訳でしかないか)、明日の朝からは、今度は私が、この店に精一杯の手と眼とを配ることをお約束いたします。
■10月12日(月)12時、205号室のオープンでは、企画展より以上に、入ってすぐにキッチン、反対側に浴室・トイレが並ぶという店には到底向かない改装前の空間が、どのように鮮やかに変えられたかをはじめ、先ずは見事な空間-実際には、画像の数十倍の仕上がりです-を一人でも多くの方にご体験いただければと存じます。みなさまのご来店を、心よりお待ちいたしております。
■前回更新から2週間が過ぎて、久しぶりのアップはお知らせです。月末恒例となりました沼辺信一氏のご連載「バレエ・リュスと日本人たち」の第5回「ベルリンの青春[下-1]」を本日textのページ=こちらにアップいたしました! 今回は山田耕筰がいよいよニジンスキー踊るところの「牧神の午後」観劇体験に入っていきます。山田の残した記録(≒記憶)とこれまで明らかにされてきた事実とを丹念に突きあわせていくという大変なご労作からは、ニジンスキーを伝説に高めた“空中で静止したかのような”跳躍を実際に目の当たりにした日本人・山田がどう書き留めているのか、そして、音楽家・山田耕筰がニジンスキーの身体から、そして、バレエという総合芸術-しかもその最先端をいっていたバレエ・リュス-から、何をより強く感じとったのか、濃やかに彫琢されていきます。
「…ゆるい」「動いてる感じがぜーんぜんしない」「だってこーゆー店になんないじゃん」という意見が相次ぎ却下された方のDMデザイン。時代をしっかりつかまえた、いまどきのシンプルでナチュラルで癒される…といった店になるかといわれると。そうですねぇ、まぁ違いますかねぇ。はい? むしろその対極 ? ははぁ。まぁえぇっと、そうともいいますかねぇ……。
当初、3回で予定されていた「ベルリンの青春」は、こうした精査により次回[下-2]に続くことに。冷静な考証を重ねながらますます熱を帯びる筆致、必読です!
■さてお次もお知らせとなります。移転準備中の小店ですが、お陰さまでここまでは何とかスケジュール通りに運んでおります。移転先であるパレス青山205号室も明日には着工、こうなったら10月12日(月) 12:00をもってオープンするゾと決めました。当HPをいつもご覧下さっている皆様のお手元には、ほとんど漏れなくご案内のハガキが来週には届くはず。ではありますが、10月12日(月)-旗日で先勝-オープンをこの機会に、この機会にぜひっ! ご記憶いただければ幸いです。←何だか選挙戦みたいですが、何卒よろしくお願い申し上げます。
■「面白い?」と尋ねられれば「う~ん、どーでしょー」と頭のテッペンあたりから声を出したくなるオープン記念の展示販売企画「事件を起こせ!-1950s~1970s 戦後日本・前衛美術の青春期」につきましては、来週半ば頃に当HPでもご案内させていただきます。棚という締まりがなくなるとひたすらのんべんだらりと床にひろがりゆく本の海。からっぽになった棚、それだけがのこされた部屋、(明日からは)その棚さえひとときバラバラにされ、かたやがらんどうの部屋が店へとすがたをかえていく…といった“非日常”がとうとう明日から始まります。次回更新の際には、そんな風景も少しだけお届けできるかも知れません。みなさまには、どうか引き続き温かくお見守り下さいますようお願い申し上げます。