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21/07/10 戦中物件ふたつ - 満洲と隣組と。


■先週お知らせいたしました通り、オリンピック開催により、表参道周辺では人流の増加、交通規制や物流の停滞等が予想されることから、オリンピック開催期間中、店の営業は休業いたします。
このため、2021年7月の店の営業日は残すところ 7月13日(火)、15日(木)、17日(土)、20日(火)の4日だけとなります。営業時間はそれぞれ12時より19時です。

また、12日より4度目の緊急事態宣言発出により、上記の4日についてはアポイント制とさせていただきます。ご来店の際には予めご予約をお願いいたします。
入店時には不織布マスクの着用と店内入り口での手指の消毒をお願いいたしております。
ご不便をおかけいたしますが、ご協力のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

これまた先週もお知らせした通りですが念のため再びお知らせ。
営業再開は8月10日(火)を予定しております、コロナウイルスの感染状況によっては、そのままお盆休みに入ることになるかも知れません。
オリンピック開催に伴う臨時休業期間中も、HPの更新やSNS(Facebook、Instagram、Twitter)への投稿は続けますので、営業に関する最新情報についてはHPまたはSNSでご確認いただけますようお願い申し上げます。
ご面倒かとは存じますが、何卒よろしくお願いいたします。
尚、パラリンピック開催期間中の営業については会期直前の状況をみながら改めて判断いたします。

■ここまで絵に描いたようなプロパガンダ誌は久しぶりの入荷になるかと思います。1937(昭和12)年、満洲帝国の首都として新都市開発が進められた新京建設第一期五ヵ年計画完成を記念してつくられた『躍進國都』が入荷しました。バリバリのグラビア誌であります。
満洲帝国政府」名により、満洲・興亜印刷局から発行された『躍進國都』は、テキストが全て中国語と英語併記であることから、対外宣伝を目的として制作されたものであることが分かります。
仰角のカメラアングル、無機質な撮影対象の多用、労働者の力強さの強調、過剰なほどのフォト・モンタージュなど、後の東方社の『FRONT』、さらに、そのフロントがお手本にしたというソビエトの『USSR』と実によく似た表現のオンパレード。また、ページ構成の面では、グラフ・モンタージュの影響もみられます。 

判型も『FRONT』と同程度の大判で、左右観音開きで全景を俯瞰した「第一期完成之國都新京」の迫力はご覧の通りのスケール。
ここではとりませんでしたが、映画街、夜間のネオンサイン、亜細亜号、学校生活、住宅街の優良物件など、風俗文化、日常までに取材。情報量としては『FRONT』を上回るものと思われます。
惜しむらくは写真や編集など、制作に関係した具体的人名に関する手掛かりが全くないこと。とはいえ、満鉄嘱託としてポスターの世界で目覚ましい成果を残した伊藤順三といった人材が、当時、大陸に渡っていたことを考えると、このくらいのグラビア誌が満洲の地でつくられたということについては、何ら不思議はないものと思われます。

このかわいらしい「マメカミシバイ」というのが、銃後の正しい生活をまっすぐ疑いなく説く内容であるがゆえに、いま読むと何とも言えない気分にさせられる物件でありまして、収納用紙挟みの表側・表4と、内側全面に龍角散の広告が入っていることから、龍角散のノベルティとしてつくられたものと見られます。
刊期の記載はありませんが、『マメカミシバイ ドウブツトナリグミ』というタイトルから「隣組」が制度化された1940年から、慰問袋が廃止されたという1943年頃までの間に使われたものと見られます。
「マメカミシバイ」が示すように外形が6.5×11cm、紙芝居本体は5.5×7.5cmというスモールサイズ。おはなしも6枚で終了します。
隣組の寄り合いで、「このお国の非常時に何かお国のためになることを」と話し合った動物たちが、健康のためにラジオ体操をしたり、防火用水を備えたり、空き地を耕し野菜をつくり、慰問袋を送るという、当時としては正しい日々の過ごし方を至ってシンプルに教えるものです。
国内の製薬会社では、戦意高揚に力を貸すべく、戦争関係の生徒・児童向けの読物など、陸続と発行した会社もありましたが、龍角散のものは初見。商品の性格がみても、今日まで残ってきたことの方がむしろ不思議に思えます。こんなふうにいま残っているのが不思議なものと出会えるというのもまた、紙もののもつ面白さのひとつだと思います。

■今週の斜め読みから。
なるほど! と、いたく納得。
https://twitter.com/levinassien/status/1413387215061741574?s=04&fbclid=IwAR2biUzdsRZnRfpAgOdZLaxMklOGMOjBlOqGXXIo-qzOcuk7Tzn85Ejqc_w
※当サイト内の画像・文章等の無断転載はご遠慮下さい。

 

 

21/06/28 エフェメラの集合体 ! 『東京画報1』と『ぬりえ』


■まる2日遅れの更新となりました。体調不良でも何でもなく、金曜夜の数時間PCが全く使い物にならなかったせいで、店主、至って元気にしております。ご安心下さい。
さて、今週も営業スケジュールのお知らせから。
コロナウイルスの影響で、昨年は中止となった「明治古典会七夕古書大入札会」が今年は7月2日(金)から4日(日)にかけて開催されることとなりました
これに伴い、今週の店の営業は6月29日(火)・7月1日(木)の2日、それぞれ12時より19時まで、7月3日(土)は休業とさせていただきます。
アポイントは不要ですが、店内のお客様の数は3名様までとし、それ以上になる場合は入店までお待ちいただく場合がございます。
また、入店時は不織布マスクの着用と店内入り口での手指の消毒をお願いいたしております。
ご不便をおかけいたしますが、ご協力のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

オリンピック開催にともなう競技場周辺の交通規制や物流の停滞、各競技場に向かう乗換等、表参道駅の利用頻度が高まることなど、表参道駅とその周辺は混雑が予想されることから、オリンピック開催期間中とその前後にあたる7月21日(水)より8月9日(月)まで、店は臨時休業いたします。
8月10日(火)には営業を再開したい考えですが、コロナウイルスの感染状況によっては、そのままお盆休みに入ることになるかも知れません。
オリンピック開催に伴う休業中も、HPの更新やSNSへの投稿は続けますので、営業に関する情報も随時お知らせいたします。
ご面倒かとは存じますが、ご来店の際には必ず最新の情報をご確認いただけますよう、どうかよろしくお願いいたします。

*パラリンピック開催期間中の営業については会期直前の状況をみながら改めて判断いたします。

■申し遅れましたが「明治古典会七夕古書大入札会」は一般の方々にも古書入札会の会場で商品を実際にご覧いただこうとの趣旨から、一般プレビュー(下見展観)日を設けています。実際の入札については、ご依頼いただいた古書業者が代行して行いますが、古書市場のしくみの一端をじかに目にする機会として、また、いずれの出品商品も実際に手にとって御覧いただける機会として、毎年開催を楽しみにしているお客様も多い催しです。
一般プレビューは7月2日(金)10時~18時、7月3日(土)10時~16時
下記のアドレスで会場その他開催概要と、出品全点を画像でご覧いただける「出品目録」が公開されております。是非ご覧下さい!
https://meijikotenkai.com/2021/
 

今週の新着品は、2点とも、紙モノの集合体といったつくりの私的な刊行物。どちらも2度目か3度目の入荷ですが、珍しい部類の刊行物です。
画像1点目。筒函の平に認められる「東京のテクスチュア」は副題で、正式な書名は『東京画報1』副題はもうひとつ「視覚的な触覚作業集」という言葉があてられており、この刊行物を制作した「和光大学芸術学科《東京画報》編集室」に参加していた学生さんたちの目論見と具体的作業とが明示された格好です。
A4を二つ折りした未綴じ・72枚からなる東京をモチーフとした作品集で、発行は1970年代(この方の調査にはまず間違いがないと思われる同業先輩によれば1974年頃の発行のようです)。
30人の学生によって制作された作品は全てフォトモンタージュによるもの。敗戦後約20年。高度経済成長下、新旧入り混じりながら刻々と変化する東京の街の姿には、当時まだ子供だった私にも、確かにキッチュで猥雑な側面が多分にあったような記憶があります。この作品集には、あの当時の東京の空気を伝えるには、フォトモンタージュという手法以外にあり得なかったと思わせるだけの説得力があると思います。あくまで私見ですが。
「小柳ルミ子ショー」や「ノストラダムスの大予言」の看板、積み上げられたブリキのゴミ箱、東京観光ご一行様記念写真、街頭の町内地図、落書きされたベンチ等々、当時の東京の片隅にあった風景が丹念に拾われている点では、1970年代の「考現学」ともなっていて、細部まで丹念に見て行きたくなる力作です。

■こちらもやはりA4を二つ折りにした未綴じのリーフ80枚からなる作品集。32Pの冊子とともにアクリルのケースと筒函に収めたもの。著者は編集者でエディトリアル・デザイナー、写真集の著書もある田淵裕一。1972年の発行で、部数等詳細は分かりませんが、私家版としての発行でした。
80枚のリーフには、いずれも線画が1色で印刷されていて、著者は、この私家版を手にした人は「なにかしなければならない」としています。何かしたものをどうするかと云うと、田淵に返送してくれとあり、田淵のもとに届けられた「なにか」されたものを集めて小冊子をつくる-田淵には、一種のメーリング・アートのような構想があったようです。そのため、田淵自筆の宛名書きに切手まで貼った返送用の封筒付き。詳細は相変わらず分からないものの、著者とごく親しい人たちに限定して贈られたものと見られます。
ぬりえの対象となる図版は日本の国旗のように分かりやすいものから、どう塗れというのかとまどうような住宅間取り図の集合、塗るというより書いた方が良さそうな原稿用紙や熨斗紙など多種多様。こうした多様なセレクト全体で「ぬりえ」というひとつの作品を構成しているのだと云えるのでしょう。
それにしても『東京画報1』と『ぬりえ』の2冊。体裁もボリュームもよく似ているのは単なる偶然なのか何かしらの必然なのか。その辺りにもまた、いまは見えなくなってしまった何かの「線」が見えてきても良さそうな気がするのですがさて?

もひとつお詫び。今週は「七夕」のために更新は1回お休みさせていただきます。来週は火・木・土曜日の12時~19時で営業いたします。悪しからず!
 

 

21/06/19 今週は6月~7月の営業ご案内を中心とした更新です。


■何が根拠となっているのか分からないまま「緊急事態宣言」が解除され、何を根拠にしているのかさっぱり分からない「まん延防止等重点措置」が施行されるのを受け、小店では来週より火・木・土曜日の各日12時から19時まで、アポイント不要で営業いたします。
店主のワクチン接種に全く目途がたたないこともあり、公共交通機関の混雑を避けるため、営業時間は引き続き19時までの時短営業とさせていただきます。
また、ご来店に際しては不織布マスクの着用と入店時の手指の消毒についてご協力をお願いいたします。
日ごとに暑苦しさがつのる時節、鬱陶しいこととは存じますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

コロナウイルスの影響で、昨年は中止となった「明治古典会七夕古書大入札会」が今年は7月2日(金)・4日(日)にかけて開催される予定です。
これに伴い、7月3日(土)は休業させていただきます。
6月最終週までの開店日は下記の通りとなります。
6月22日(火)・24日(木)・26日(土)・29日(火)・7月1日(木)

尚、一般のお客様どなたでも見学・下見が可能な「明治古典会七夕古書入札会」の出品目録が、6月21日以降、下記のアドレスで公開されます。
古書と古書店にご興味をお持ちの方は是非ご覧下さい。
https://meijikotenkai.com/2021/ 

■もはや誰が何と云おうと開催されることが決まっている東京オリンピック・パラリンピック。開催期間中、競技場周辺の交通規制による物流の停滞や、競技場に向かう乗換等、表参道駅の利用頻度が高まることが予想されることから、期間中を通じ店舗は休業、HPでご紹介している商品の通信販売も休止いたします。
具体的な休業期間については、近日中に改めてお知らせいたしますが、お目に留まる商品等ありましたら、お早目にご来店いただければ幸甚に存じます。
ご不便にご不便をかさねる実店舗に果たして意味はあるのか!?という根本的な疑問についてはいまは保留として、どうかご推察・ご理解を賜りますよう心よりお願い申し上げます。

一言の解説もなく品物を差し出す。
たまにはそんなことをしてみようかと思います。
このHPを立ち上げて以来約20年、こんな回は初めてではないかと。
半ばストライキ的な意味もこめて。
がしかし、品名くらいは書いておかないと。
なんてことになって。
書かない、説明しないということが、小店にとっては一番難しいことなのかも知れません。

画像1点目 : 熨斗紙版木 朱版・銀版1対
画像2点目 : 肉筆大和絵小色紙 金補修 12点(画像はこの内の4点)

だ、だめだ。もう少し書きた ………

■今週の斜め読みから。
https://www.facebook.com/ritsuko.guenther/posts/4149752975116093
https://www.tokyo-np.co.jp/article/111003
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/65718
南方戦地の作戦失敗死屍累々も誰の責任も問われず東京大空襲その他本土空襲相次ぎ沖縄上陸戦では市民を見捨てた国軍に恥も良心もなく広島には原爆それでも敗戦を誰も云いだせず戦争の終わらせ方さえ知らないまま手をこまねいているうちに長崎上空原爆再び炸裂しつぎつぎにむざむざと人命を失わせたあの戦争の似姿がここにあります。正気ですか?

 

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