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18/01/06 2018年スタートは折目正しき礼法のデザインと染織の美


寒中お見舞い申し上げます。
2018年を迎えました。
12月31日の午後2時頃に着手した自宅の大掃除 = 別名断捨離に区切りがつかなくなり、途中、「あっ! 」と気づいて23時45分頃、慌てて出かけたご近所の不動尊で「1月1日00:00」を迎え、とって返して作業再開。途中数時間仮眠した以外、とにかく片付けに片付け続けた結果、1月1日午後2時頃無事打ち上げ。まさかの「24時間断捨離年越しマラソン」で新年を迎えることになろうとは。今年もまた予測不能の1年になりそうな。
それはさておき。
新年初売りは本日1月6日(土)となります。店は来週よりまた、基本的に火木土曜日の各日12時より20時での営業とさせていただきます。相変わらずご不便をおかけする一方ですが、ご来店いただければ幸甚に存じます。
今年もどうかよろしくお願い申し上げます。

■お知らせをふたつ。
1月17日(水)より1月22日(月)まで、恒例の「銀座 古書の市」が松屋銀座で開催されます。回を重ねて今年は第34回。第26回より参加させていただいております小店、今年は都合により1回パスしましたが、新規参加店6店を迎え、さらに充実した合同目録は小店店頭でもお渡しできます。ご希望の方はご来店時、お声をおかけ下さい。
また、昨年、小伝馬町のJINEN GALLERYで開催、好評だった「STRUCTURE -建築のサイズ」の第二弾が1月9日(火)よりスタートいたします。前回よりスケールアップし、1700年代の建築図を中心とした古い銅版画数百枚を展示販売いたします。
「STRUCTURE -建築のサイズII」は1月9日(火)より1月21日(日)まで。詳細はJINEN GALLERYさんのウェブサトまたはFacebookページでご確認下さい。
http://jinens-art-studio.com/art/
https://www.facebook.com/search/top/?q=jinen%20gallery

新年最初の新着品のご紹介は、折り目正しい小店に相応しく- なんて毫も考えておりませんのでご安心下さい - 古くからの礼法のひとつ、折形標本を。『小笠原流熨斗折方 標本』と表紙に墨書きされている手製本で、明治中期頃のものと見られます。
和綴じの本体に貼り込まれたサンプルが120余点、挟み込まれたものが60余点の約190点の雛形現物一括での販売。
そも折形とは何ぞや。と云うことについては、今年もお世話になりますWikipediaさんのところで概略お分かりいただけるかと思いますが、600年ほどの歴史を持つ武家の礼法のひとつ。煎じ詰めて一言で片づけるとすれば、「包装の仕方」と云うことになるかと思いますが、「武家の礼法であったことから“切る”ということを極端に嫌い、包むにあたって刃物は使用してはいけないというルールがあったという」とか、太陽の光を表し、清浄を象徴する「白」の和紙を使うなどなど、とんでもなく奥が深い。その一端を知るのに、下記のサイトも参考になります。
http://www.shift.jp.org/ja/archives/2010/04/origata_design_exhibition.html
wikiに「大名・旗本などに限って家伝(口頭伝承)、と共に雛形を使い秘伝伝承した」とありますが、その「雛形」そのものがこの『標本』。いずれも折目の部分に「小笠原流」の印と、格を表すという「真・行・草」の朱印とが割印され、品名・用途が書き込まれた完璧なお手本です。
それにしても、養子喜びのし、とか、猪子餅ニ付ルのし、下駄箱のし、だとか、どこまでのし付ければ気が済むのか。鯛尾包とか乳母の煙草料だとか、「塩包」だけ春・夏・秋・冬があり、胡麻塩包と胡麻包でも折り方が違うし、何でこれほどまで何でもかでも包もうとしたんだか。しかもどれもこれも実に込み入った折り方で。おそるべし 武家のしきたり。

 ■昨年末の市場で落札した古い生地のひと口・みかん箱で3箱分くらいを、明日にはざっと見終えることができそうです。画像2点目は、見終えたもののごくごく僅かな一部。絹織物から染の木綿生地まで、江戸末頃~昭和初期につくられたものがほとんど。サイズはほぼ反物のままや布団生地など大きなものから20cm角程度のものまで。
旧蔵者が業者たったのかコレクターだったのか、いまひとつ断言する要素が見つからないひとくちですが、裏から継をあてたものが多く、それが結果として一枚の裂により多くの表情をを与えています。また、どれも一度は手を入れたようで、とても綺麗で清潔です。
布モノは紙モノ同様、1点1点見ていて飽きることがないのですが、何しろ「古書の市」での売り上げが見込めない現在、のんびり眺めているわけにはいかず、値付けとそのための勉強が急がれます。ああ。まだまだ寝て過ごしたい…。

今週はこの他、木版刷の引き札が29点、江戸末期頃のものと見られる手描きの百人一首1組、昨年の続き『大阪の三越』15点(但し落丁分)、が6日中に店に到着する予定。
期せずして和モノでの幕開けとなった2018年ですが、洋の東西を問わず時代を問わず、面白いと思えるものを仕入れてはご紹介していければと思います。当HPもこれまで同様、何卒よろしくお願い申し上げます!

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