■唐突に表参道からの移転をお知らせした前回の更新からあっという間にひと月半が経ってしまいました。お陰様で表参道の店は本棚・什器を残して空になり、 11月末日には鍵も返上して、20年間通いなれたパレス青山を離れます。
移転先の住所と連絡先は下記の通りですが、定期的に在席して仕事を始められるようになまるまでにはまだ時間がかかりそうで、当面は所在不定が続きます。
暫くの間、ご連絡はSNSのDMか、ご存じの方は携帯電話をご利用いただくのが最も確実です。
移転先 〒145-0062 大田区北千束1-4-20 G-FLAT 101号 03-3724-1338
SNSは下記の屋号表記で検索してみて下さい。
→ Facebook 古書 日月堂 / Instagram nichigetsudo / Twitter 古書 日月堂 または @Nichigetu_do
店をもちながらも半ば以上はつかまらなかった従来の不便さはどうやらそのまま持ち越しとなりそうです。どうかご海容の上、引き続きよろしくお願い申し上げ ます。
■考えてみると店というもの、商品をすべて取り払った状態で眺めることができるのは実に一瞬のことです。出来立てほやほやか、退去時の僅かなひと時くらいしかチャンスはありません。商品を抜き去ってしまえば空間はうろになる - 今回の移転で最も目を啓かされたのは、そんな傲慢な考えが吹き飛ばされたことにありました。
商品が全て撤去された後に立ち現れた空間 - コンクリートブロックを敷き詰めた床と濃いグレーの壁に、朱赤の本棚だけが並んでいる風景 - こそが、日月堂が最も美しくみえた景色でした。
日月堂がどこへ行こうが消えようが、そんなものを惜しいとは思えませんが、この空間が消えてしまうことは惜しまれてなりません。
とはいえ日々刻々と移ろいゆくのが都市の宿命。上書きされることを受け入れる潔さも肝要なのだと思います。同じ場所に今度はどんな空間が立ち上がることになるのか、私も楽しみにしたいと思います。願わくば、いま以上に美しい空間でありますように!
■年内、HPの更新ができるかどうかはまだ読み切れませんが、FRAGILE BOOKSの定例記事が1本残っています。そちらではまだご紹介したことのなかったイギリスの古いモノグラムの蒐集帖(本体革装金彩!モノグラムと紋章はエンポス加工&多色多数!)をご紹介する予定です。
■12月を目前に、表参道は一年で最も華やぐ季節を迎えました。
この美しい街で20年を過ごすことができたことは、ありきたりな言葉になってしまいますが、かけがえのない宝物です。お世話になったみなさまに、改めて心より御礼申し上げます。本当に有難うございました。
2023年はまだ色のついていない、とてもしずかな空間からのスタートとなります。
店でも事務所でもなく、あくまでワークスペースとなりますが、ご来訪は歓迎いたします。
陽のふりそそぐあたたかな空間です。
これからもどうかよろしくお願い申し上げます。