#205 6-1-6 Minamiaoyama Minatoku TOKYO
info@nichigetu-do.com
TEL&FAX:03-3400-0327
sitemap mail

detail

18/03/17 「記録写真」で見る戦後TOKYO風景

■3月10日(土)は13時まで店内が少々立て込みます。お買い物のお客様には13時以降のご来店をお願い申し上げます。

記録写真であります。そも、記録写真とは何か。各種サイトの引用が目立つ「ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説」によると、「ドキュメンタリー・フォトともいう。伝達媒体にかかわりなく,事実を客観的に描写し,内容的に資料的価値をそなえた写真。しかし記録写真はしばしば大衆に社会的現象の本質を啓蒙し宣伝する役割も負わされている」と定義されています。
ふむふむ、伝達媒体にかかわりないわけですね。加えて「社会的現象の本質を啓蒙し宣伝する役割」もあると。
これ、反対に云えば、主に権力や権威・資本の側にとって都合のよいように社会的現象を誘導しようと企てた伝達媒体上で「啓蒙し宣伝する役割」を負わされた写真もまた記録写真だと云えそうで。で、多くの場合、それで「やりすぎる」ことになるのでしょうが。いまも昔も。
そんなものばかり見てきた結果、記録写真というものに対しては - 先だって新入荷した『犯罪科学』のグラフ・モンタージュの未見の号などごく一部を除いて-何だかもうドキドキもワクワクもしなくなっちゃったなあ、何だかロクでもないなあとか、ついついそんなことを考えてします最近であります(これ、古本屋としてはまずい状態)。
では一体何なら反応するのか? …… と云えば、ひとつは純粋記録写真とでも呼びましょうか、ただもうひたすら、今この一瞬を印画紙上に定着させることだけを思って撮影された写真。
あともうひとつが、芸術を志向しながら表現の域に達することのできなかった 芸術写真滑落組。「表現」からこぼれ落ちた結果「記録」になってたとでもいうべき筋の写真です。
今週は現在在庫している写真類の中から、このそれぞれの筆頭格にあたる写真群のご紹介です。

■1点目はネガのベタ焼きと手札判の写真から成るスナップ写真群。1枚の手札判の写真の裏に、「僕の東京今昔」という書き付けがありました。終戦後15年。1960年前後の東京で、失われつつある街の風景を撮った写真のシリーズです。
しもた屋風の銀座の床屋、埋め立て前の数寄屋橋、お屋敷町を巡り歩く屋台の飴屋、一の橋あたりの銭湯入り口、夜の食料品店等。この他、本郷菊坂上から見下ろした風景、西片町あたりのしもた屋、根津権現界隈、三田・慶応大学正面、高輪のお屋敷街、銀座の火事や渋谷東横裏など。
小さなベタ焼き写真をルーペで覗いていると、ちょっとしたタイムスリップ気分が味わえます。
この系列と同じものに、高速道路がかかる前の「世界労働者会議関係者 日本視察記録写真帖」、「奉天学校関係者の写真アルバム」、「日本橋祭り 記録写真」「新日鉄 広畑製鉄所 社宅建設記録写真」、いまは簡単に出てこないところにあるはずの京都周辺部の村落調査の記録集など在庫しています。 

2点目はここのところ2度ほどひっそりご紹介していた 駒場高校写真部の生徒が撮影した写真1952年から翌年にかけて撮影された写真がアルバム3冊分。そのほぼすべてが都心の雑踏で営まれる人々の仕事とその表情です。当時の高校生の技術的なレベルなど全く分かりませんが、端的に「佳い写真」だと思ったのが仕入れの動機となりました。繁華街風景に溶け込む女性、こども、老人、GHQの駐在員。ものを売る人、駅で待つ人、歩道にうずくまる人、演説する人、etc.etc.
この系列と同じものに、青年写真家同盟の一員だったと思われる人が撮影した農村・漁村の人たちの写真群、など在庫があります。
また、ベトナム戦争当時、赤十字が広報用に撮影した写真ネガベタ焼きのひとかたまりには外部に出なかったカットも多く、記録性という点で意味のある一群だと思われます。

■「東京今昔」と「駒場高校学生の写真アルバム」についてはほとんど個人的趣味の領域にあるため、売るというより今後イ時々ンスタグラムにアップするなど、少しずつ公開していこうかと考えております。販売については応相談といった感じで。
また、このような写真をお持ちの方、捨てちゃう前に是非小店まで ! もちろん誠実買取いたします。何卒よろしくお願いいたします。

「改竄に関与したのは職員」とは、「法隆寺を建てたのは大工!」的な。
アメリカ大陸発見は見張りの船乗り?
☝FacebookのTLより
そして末筆ながら、これだけはちゃんと見ておかないとというサイトです。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/moritomo_kakikae/







 

inquiry 新着品案内 / new arrival に関するお問い合わせ

お名前 *
e-mail address *
お電話番号 *
お問い合わせ 件名
お問い合わせ 内容 *
  * は必須項目です)

recent