■今日は来週の営業日程のご案内から。来週は「明治古典会七夕古書大入札会」が開催される関係で、7月7日(土)は開店時間が16時~17時頃となります。この日ご来店の場合は、できればお電話で在席をご確認いただくか、17時以降のご来店をお願いいたします。
3日(火)、5日(木)は普段同様 12時より20時で営業いたします。
また、来週は当ページの更新も一回お休みさせていただきます。
今年は昨日6月30日、観測始まって以来初めていう6月中の梅雨明けを見ました。それも十分頷ける暑さです。例年、昼日中から大雨に見舞われる印象が強い「メイコのタナバタ」。果たして今年の雲行きやいかに !?
■「明治古典会 七夕古書大入札会」についての詳細並びに出品目録については下記のサイトをご覧下さい。
http://meijikotenkai.com/2018/
漱石の「猫」上中下3冊全初版揃い、だとか、漱石や鴎外の草稿、だとか、宮沢賢治の自筆ハガキ、もあるし、向田邦子の手紙、もあったぞ、と思えば アンリ・リヴィエール『エッフェル塔三十六景』があり、バルビエとルパプが挿絵を描いた『アフロディテ』も出てきて、古書界スター選手の揃い踏み、で、しかも実際に手にとってご覧いただける年に一度だけのチャンス。この機会に是非 東京古書会館にお出かけ下さい !
ちなみに、旧知のお客様に限りますが、小店も代理入札を承っております。
■昨日、店からPCを持ち帰り、こっちでなら何とかなるだろうと高をくくっていたフォトショップのトラブル。なななな ! なな、なんと ! こちらのPCでも同じトラブルに見舞われて使えないことが判明。今週もiPhoneで1点撮りした画像でお届します。撮影段階での手間暇だけはかけました。
それにしても、複数ページご紹介したい木版刷の図案集とか意匠控え、見本帖、スクラップ帖などはまたしても後回しとなることとなり。誠にもってモチベーションも低下する とほほ な気分なのであります。
■中央公論社の文芸雑誌『海』の創刊当時の編集長・近藤信行氏の旧蔵品で、海外文学者に関するものがダンボールひと箱入荷したことは以前にもお伝えいたしましたが、この内、1通1通封筒に入れられたまま残されていた書簡・書類について、やっと一通り目を通すことができました。今週はその中間報告から。それにしても、こんなものが出てくるとはと半ばあきれるほどの粒揃いです。
先ず画像にとった作家ものから挙げていくと…(順不同・全て封筒付き。領収証は印税に対するもの)
〇ノートを切り取って便箋がわりにしている アラン・シリトーの自筆書簡。シリトーはもう一通、署名入りの領収証も。
〇ウィリアム・S・バロウズの自筆署名入り書簡は2通。
〇これが本人のだったらタイヘンなことになっていたサリンジャーは、彼の「キャリアを支え続けた」とされるエージェント、ドロシー・オルディングによる「Mr. Salinger has asked me」-そのまま映画のタイトルになりそう ! - で始まる自筆署名入りのお断りの手紙。オルディングは生涯でどのくらい同じような手紙をタイピングしたんだろう?
〇アルベルト・モラヴィアの自筆校正&署名入り書簡。
〇マルグリット・ユルスナールは3通 ! 独特の癖字が魅力で、ちゃんと署名が入った封筒付きで、タイプ打ちした書簡2通と領収証が1通。
〇クロード・シモンは署名入りの自筆書簡1通と署名入り領収書1通の計2通。
〇ル・クレジオからは自筆メッセージ入りのカードと署名入りの領収証。
〇ミシェル・ビュトールは署名入りの書簡1通と他に3通の計4通。
さらに ! 署名入り自筆書簡にアーノルド・ウェスカー、ドナルド・キーン、タイプ打ちの書簡に自筆署名を入れたものがサルトル、ナタリー・サロート、ハロルド・ピンター、エドガー・スノー、エンツェンスベルガー、ナボコフ夫人、ノエル・カワード夫人、領収証ではベルコール、コールドウェル etc.
この他にまだ原稿類、書類がダンボール2分の1程残っており、こちらはまだこれから。
これから何が出てくるのだか出てこないのだか皆目見当がついていないものの、今年上半期、一番の当たりはこの一口と考えて間違いなさそうな内容です。
■2点目は1939年ニョーヨーク万国博覧会の絵葉書。日本館の内部の様子が分かる絵葉書、なかでも写真壁画が部分的にでも写っているものはこれが初めて。旧蔵者は戦後、山下新汽船の副社長を務めた木村一郎で、木村と木村と姻戚関係にあったと思われる池田某氏宛ての海外来信を含む一括での販売。ニューヨーク万博については他に12枚、ヒトラーとムッソリーニが並ぶカラー絵葉書などもついています。
■店の棚には久しぶりに本が入ってます。洋書は全て唄脩氏旧蔵 アナトール・フランス関係著書。ミュシャが1冊(一緒に入ってきていた1冊はsold out)、モンヴェルの絵本2冊、スタンランの挿画本2冊、この他ス手彩色入り、スイーツ付きの挿絵本多数。
そしてまた和書も漸く棚へ。左上の画像、棚に並んでいるのは 今泉篤彦宛て尾辻克彦または赤瀬川原平の署名本を中心に、気が付くと溜まっていた署名本たち。まだバックヤードに少し残っているものも近々に顔見世の予定です。