■本日これから発送作業を数件片付ける必要が生じ、とりあえず新着品は1点のみ。可能であれば後日追加したいところではありますが。どうなりますか。ともかくも。
昭和2(1927)年・内田美術書肆発行の河原崎晃洞『新選図案集』所収の木版刷図案をバラ売りいたします。
河原崎の図案は小店お客様のお好みに合わないのか、不思議なほど売るのに苦労することが多く、ここのところ全く手をださないでいました。師匠にあたると云う古谷紅麟に比べると具象的だし、古典文様を下敷きにしたデザインにしても師匠の師匠にあたる神坂雪佳と比べると突きつめ方が弱いような気もするし、昭和初期の図案としては古めかしく見えかねない …… と、師匠も師匠の師匠もあまりに偉才ではあるにせよ、河原崎さんには何かしら食い足りないところがあるように感じていたのも事実です。
がしかし! その見方が一面的なものに過ぎなかったと大いに反省させられたのがこの図案集でした。
市場で目にした段階ですでに、経本仕立ての折部が断裂、ページによっては汚れや傷みなどダメージもあり、元の姿で売るのは厳しいものの、どうしても捨て置く気になれない図案が多く、活かせる部分をバラして売る腹で落札したものです。
多くは単色、多くとも2色刷というストイックな条件で、枝葉を払ってシンプルにまとめられた和のモチーフが、和製アール・ヌーヴォーの趣に富む完成度の高い作品に仕上げられています。デザインによっては例えば山名文夫や小村雪岱を思わせるものも。もちろん、全て木版刷。
こちらは早速明日より店頭で販売いたします。
■今週の斜め読みから。JOCのトップに座る人の論外の発言と小気味よい海外からの批判は周知の通り。なので、今週はこれだけ。とりあえず。
https://toyokeizai.net/articles/-/409437?display=b&fbclid=IwAR3lEItAOZcl_llGniK-gADVrkg0rr-4tfJW9GNN_R75iRZoz43zcDwzHKU