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21/04/17 1967-1968 ハブニングとエンバイロメント 未だ知られざる百貨店での前衛!?

来週24日(土)より目黒のアンティークショップGEOGRAPHICAさんが第17回アニヴァーサリーを記念して開催する『TRAVER NOTES-旅の記録 旅の記憶』に小店も参加いたします。ただいま納品締切日を目指して準備の最中。
来週には直前情報として詳しくご案内いたしますが、先ずは下記のサイトで催事についてご確認いただければ幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
https://ec.geographica.jp/news/IF000300

■今週の新着品2点は戦後美術史上にいまのところ爪の先ほどの痕跡も残していないのではないかと思われる超トリビアルな紙もの。共通点は1960年代後半に百貨店の付帯施設で開催された、ということでしょうか、アート史的にも商業施設史的にもちょっと面白いかも知れません。
1点目は12月28日(木)、渋谷の東横劇場で開催された『身体障害者のチャリティ ショートショートハプニング集 モザイク』のプログラムとプレスリリースの2点。年記がありませんでしたが複数の点から見て1967年に開催されたものとみられます。
ショートショートハプニングとは何ぞや? ですが、プログラムとリリースを総合すると、二段に組まれた6つの箱が舞台に組まれていて、そのひとつひとつの部屋でハプニングを行っていくというもの。1部屋に照明が当たるのは3分間で、時間が切れると有無を言わさずスポットは次の部屋へ移動、ハプニングが終わっていようがいまいが3分経つと闇に沈みますからね、という趣向。この短いハプニングを全体としては40回分組んでいて、3分毎に氏名された主宰者はどのような表現方法を採用しても良いし、ゲストや協力者を招いて共演しても良いという自由も担保されています。いずれにしてもかかる費用は参加者の自己負担らしく、それと引き換えの自由とも云えそうではありますが。
驚くべきはスタッフから参加者まで、綺羅星の如き参加者のメンツです。
舞台構成・田中一光、音楽監督・秋山邦晴、一柳慧。1~40の出演者=3分間の企画者=責任者=制作者として田中一光、伊坂芳太郎、石本泰博、高梨豊、木村恒久、中村誠、奈良原一高、勝井三雄、宇野亜喜良、大辻清司、横尾忠則+石岡瑛子、永井一正、粟津潔、福田繁雄、中村正也、横須賀功光、細江英公、篠山紀信、立木義治、大倉瞬二、音楽に武満徹、協力に竹邑類、出演に矢崎泰久、番外(!)に丸山明宏 … と枚挙に暇がありません。
しかもこのパンフレットには、旧蔵者・宮澤壮佳氏=美術専門のジャーナリストが実際に観た内容を細かく書き付けているという(番外丸山なんてメモってなければ知る由もないわけで)、資料として申し分のない物件となっております。
ちなみに、全体の予算と寄付金額の走り書きも! 完璧ですね。
*宮澤壮佳氏旧蔵品に関しては当文末の追記をご参照下さい。 

■こちらも資料はほとんどないようで、確かに現品支持体はわら半紙。半世紀を超えたいまま、なるほどこの体裁では、残っているのはごく僅かだろうと推察しています。
1968年、神戸新聞創刊70周年記念事業として三の宮のそごう百貨店で開催された『現代の空間'68 《光と環境》』のパンフレット。こちらも宮澤壮佳氏の旧蔵品です。
オルガナイザーは当時、気鋭の美術評論家だった中原佑介。オーガナイザーとして寄稿した巻頭文は私程度のオツムでは理解するには至らず、がしかし、当時、アメリカを中心に科学技術と芸術との協働が美術界の尖端潮流だったことを思えば、ロジックとしては未だ充分に練れてはいないものの、とにかく同じようなことをやってみたかったのだろうと、その気持ちは分かる気はします。
中原先生のお声がけによるものか、こちらもまた、この後、めきめき評価を上げるアーティストが多数参加。
吉村益信、田中不二、山口勝弘、多々美波、宮脇愛子、野中ユリ、田中信太郎、篠原有司男、河口龍夫など。清水晃は小さなドットを30点描いてあとは略歴だけ。東松照明に至っては略歴を含め白紙という具合で、作品ができなかったか、あるいは何かしら衝突したことへの抗議の表明か、このページが結局もっともたくさんのことを語り始めるのではないかと妄想が暴走し始めそうなのでそろそろやめておきます。
この展示企画の副題は「ENVIRONMENT IN LIGHT」。これを見て大阪万博に関わることになっていく「エンバイラメントの会」を想起する方も多いかと思います。お分かりの通り、山口勝弘など重なっている例もあります。
中原祐介の言葉だけでは私にはよく分からなかった美術史上の「エンバイロメント」ですが、1960年代半ばから~70年代初頭にかけて確実に注目されていたキーワードだったことは確かなようです。

■追記 : 宮澤壮佳氏の旧蔵品については、年内にリストか目録を作成しようかとただいま思案中です。このため、ここのところしばらくご紹介してきた宮澤氏旧蔵品については少しの間、売却しない方向です。どうか悪しからずご理解を賜りますようお願い申し上げます。
長年、戦後の美術・音楽界の第一線で時流を眺めてきた方が、最期まで何を基準として手元に残していたのか、21世紀の焦点をどこに定めようとしていたのか。興味は尽きません。

今週の斜め読みから。
海洋放水が決まった汚染水の管理状態のまずさによる健康被害の可能性について。
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=148818590124288&id=100049884435544まあ当然ですよね、という勧告も出ました。重い内容だと思います。
https://www.asahi.com/articles/ASP4J35ZDP4HUHBI03L.html?fbclid=IwAR0itdnqeGuruuGH_4XBsFB4KACQb5SSnLbxvF-2kGrgF3FSa6Maj7m7D44 ワクチン戦争にやぶれた日本です。ここで本土決戦とばかりオリンピックを開催しては都心部が焦土と化すことも充分想定されますので https://www.jacom.or.jp/column/2021/04/210414-50699.php オリンピック開催の暁には、小店は会期中を通じて臨時休業する予定です。

 

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