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08/04/24 Information

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1947年発行の『HOW TO SKI BY THE FRENCH METHOD』より。エミール・アレのスキーテクニックをピエール・ブーシェの卓越した写真・デザインで示す。

■GWと来週月曜日の目録原稿締切を控え、今週は少し早めの営業ご案内と新着情報更新です。今月から5月二週目までの間の店の営業日は4月24日(土)、26日(土) 、29日(火)、5月3日(土)、5月8日(木)、5月10日(土)の各日12時~20時とさせていただきます。5月1日(木)と5月4日(日) ~7日(水)はお休みをいただきます。10日過ぎのスケジュールはまた追ってお知らせいたします。GW営業日中、祝祭日は二日。少ない営業日で恐縮しつつ、ご来店をお待ちいたしております。 それでは新着品…のその前に。紙モノを中心に小店商品を置かせていただいている目黒のジェオグラフィカさんでは4回目のアニバーサリー企画、GW期間中の4月26日(土)~5月11日(日)「travel on paper .2e」が開催されます。会期中はパリの写真展、フランスの骨董市にまつわる講座、プレゼントやポイントアップなど盛りだくさんの行く価値大。小店からもツアーパンフや地図、絵葉書を中心に、旅にまつわる商品を新たに投入いたしました。。「ご持参の方先着100名様にプレゼント!」のDMは小店店頭にもご用意いたしております。詳しくはこちらでご確認の上、この機会に是非お出掛けください! ■まだまだ続くゾこれでやっと今週の新着品。狙ったもの、勝手知ったものばかり買っていても古本屋に成長なし。改めてそう痛感することになったのが上の画像、『HOW TO SKI BY THE FRENCH METHOD』1947年発行・初版カバー付き。英文ですが発行はパリ。タイトルの示す以外の何物でもない、スキーに関するハウツー本。カバーも表紙も何てことない地味なつくり。しかし。なのに。開いてビックリこのグラフィック処理!関係者の顔写真を並べた最後の1頁まで、ほぼ全頁この画像の調子で続きます。いやこれは。久しぶりに売りたくない本と出合ってしまいました(売りますけど)。それにしても何故、スキー本でここまで。お手本を示す被写体はフランスのエミール・アレ。運動全般一切無縁な私が知る由もなく、しかし検索してみるとこの人、いまでもその世界では有名なスキーヤー。この本に収められた写真も、スキー技術に関連したサイトで引用されていました(グラフィック、写真関係では発見できず)。写真で捉えられた一瞬一瞬の動きは確かにとても美しく、技術あっての美しさなのだろうと納得。では、それをさらに高めて見せているのであろうこの見事な写真を撮ったのは? そして構成主義風のグラフィック・デザインを手掛けたのは?―これがともにピエール・ブーシェの仕事でした。おおおっなるほど。戦前からシュルレアリスムを代表する写真家の一人に数えられ、フォトモンタージュに長け、機械主義や構成主義的な作品でも才能を発揮したブーシェは、スポーツ写真にも才能を発揮していたというわけです。思えばリズムやテムポと多分同程度に、スピードだってアヴァンギャルドにとっては大切なキーワードだったのに、スポーツは完全に見落としてました。アレのフランス・メソッドは戦前・戦後とも日本で翻訳本が出版されており…全然知らなかった…こうしたビジュアルが反映されているか否か、今度はそちらまで気になってきます。偶然手にすることがなかったら、この本など多分一生知らず、スポーツという分野にもきちんと眼を開いておかねばなんて思うこともなく― 私が冷遇していたものが、他でもないその私にものを教えてくれることの有難さに感じ入った次第であります。

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1938年発行『TRAVEL IN ITALY』の表2、表3対向ページに隠されていたデザイン。

次の新着品もつい最近まで知らなかったイタリアの観光振興雑誌・英文タイトルを『TRAVEL IN ITALY』といいます。いま手元にあるのは1938年発行の第6巻9号。名取洋之助の『TRAVEL IN JAPAN』とタイトルばかりか内容やテイストまで似ておりまして、率直にいって他愛のない観光写真やありがちな文化紹介が大多数を占めるのですが、そうしたなかに「ううーむ」と唸らされるデザインが突然出てくるという…例えば画像の向かって左は表2、右は表3対向なんていう、これまた開いて見ない限り分からない位置に隠されていたデザインです。画像に表紙を出さなかったのは、この号の表紙が何を思ったか葉祥明的メルヘンタッチ(←分かるか分からないかトシが分かる)で、この2点の画像とは全く調和がとれないから。一種公的な刊行物なので広告が入ることもなく、一貫したトーンは保てたはずなのですが。思えば大胆なつくりではあります。この雑誌、実は数週間前にある程度まとまって市場に出た時に、イタリアものに詳しいご同業に「これは評価の高い雑誌なんですよ」と教えていただいたばかり。もしそれがなかったら偶然落手したこの雑誌― 表紙が表紙なもので―珍しいとは思っても、 軽ぅーく扱っていたのではないかと思います。知らないものに教えられ、開いて見て初めて知るものがあり。本であれ雑誌であれ、不断にそして注意深く、まだ知らないもっとたくさんのものを見なければと、基本に立ち返る今週の新着品でした。次回の新着はいつも通り、来週金曜日を予定いたしております。但し、目録が締め切りに間に合えば……(沈黙)。 ■今週はもうひとつ。ここのところ目録モクロクと騒いでいるのは即売会「地下室の古書展 vol.11」の準備であり、6月1日(日)~3日(火)・神田の東京古書会館で開催される同展に、小店としては一年ぶりに参加させていただきます。アンダーグラウンド・ブック・カフェの愛称で、イベントや講座、雑貨・アート系グッズの販売なども行うユニークな即売会として親しまれてきた同展も今回が最後。最終回ももちろん、にぎやかな企画とともに皆様をお迎えいたします。佐野繁ファン、落語好き必見の詳細はこちらから。目録づくりから始まり最終回の最終日まで。小店も手を抜くことなく務めます。どうぞよろしくお願いいたします。

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