■来週末にはいよいよ会場搬入・並べ作業…と、いよいよ近づいてまいりました即売会
■昨日の「洋書会大市」でもお陰様で何とか落札叶い、新着品はそのなかからいずれも戦前ドイツの観光案内から。向かって左の2カットは1934年発行『Travel in Germany』、右側は1936年ベルリン・オリンピックの際にドレスデン銀行が用意したオリンピック施設を中心としたガイド用冊子兼地図『OLYMPIA 1936 PLAN VON BERLIN』。前者は英語、後者は独英仏伊の4ヶ国語の併記となっています。左側のガイドはアメリカを対象に単に観光だけでなくリゾート需要の掘り起こしを目論んだものか、音楽祭や演劇、登山や南仏へのドライブなどにも言及。当時ベルリンとフリードリヒスハーフェン間の定期便運航にあたっていたグラーフ・ツェッペリン号(LG127)や、飛行船から降りてくるヒトラーの姿まで動員して富裕層向けのPRに努めた模様。この当時、フランスほどではないにしろ、ヨーロッパではナチスに対する厳しい目も注がれていたことを考えると、とくに経済的には蜜月関係にあったアメリカに外貨獲得の活路を見出そうとしていたものでしょうか。一方、オリンピック・ガイドでは各種施設の配置図などもあり、これまで扱ってきたベルリン・オリンピック関係のガイドと比べてもかなり詳細な上、まるで刷込み効果を狙ったかのようにあらゆるスペースを使って「DRESDNER BANK」をPR。ベルリン・オリンピックが国家的プロパガンダにそれこそ総動員されたことは周知の通りですが、その下の組織=企業もまた国家の似姿には違いありません。今年、中国で開催されるオリンピックは、さまざまな紙の上に一体どういう痕跡を残すのでしょうか。 ■「洋書会」ではこの他、少々調べに時間がかかる戦前のシュルレアリスム関係洋雑誌、パリ万博写真集、広告専門誌など。来週以降の「新着」でまたご案内いたします。来週金曜日は搬入直前につき、新着情報は今週同様少し早目のアップを予定しております。といったところでまた「紙モノ」作業の続き。こちらは即売会でお楽しみいただけますよう…。