■4年ぶりのパリより、無事帰国いたしました。手持ちの他、小包で送った商品も届き、パリからの商品も店内に収まって、店は従来の営業に戻りました。
左の画像は2月15日の閉店後、陳列を終えた店内キャビネット周辺部分の様子です。季節よりひと足早く、店内がすっかり色づきました。
今年はテーマを絞り、「アール・デコ期のアール・デコ調」の商品を中心にあつめてきました。本日の更新はそんなパリ報告の1回目として、下記に主なものを挙げておきます。
商品に関する詳細については店頭であるじをつかまえて説明を迫るか、お電話でお問い合わせいただければ幸いです。
尚、今週中にもう一度、今度はデザイン・建築など、どちらかというと男性的な方面での収穫について「その2」をアップする予定です。
左端 シャルル・マルタンの肉筆原画(紙にグワッシュ) 『ラ・ヴィ・パリジェンヌ』掲載、1910年頃のもの。 右の3点はいずれも1914年発行の『ガゼット・デュ・ボン・トン』より、バルビエによるファッション・プレート(全点ポショワール)。同時、同誌のバルビエのイラストでも、写実的なものではなく、よりデザイン化された3点を選びました。
■シャルル・マルタンのイラストレーション原画 (1910年頃、『ラ・ヴィ・パリジェンヌ』掲載用 紙にグワッシュ) / 『GAZETTE DU BON TON(=ガゼット・デュ・ボン・トン)』1914年発行分より、ジョルジュ・バルビエのファッション・ブレート(ポショワール)3点 / 『GAZETTE DU BON TON』1914年7月号 ブリッソーのプレート2葉欠け、但しバルビエ、マルタン、マルティのポショワール・プレート含む また、バレエ・リュス関係記事及びプレート有 / 化粧品・高級石鹸のパッケージ・商標等未使用のデッドステック 全てアール・デコ最盛期の頃のもの A2サイズ・キャビネット1段全面分 / 飲料品ラベル、ホテルの手荷物用ラベルなどハイセンスまたはユニークなデザインの商標 A3サイズ・キャビネット1段全面分 / 機械刺繍によるタグの見本帖 / ボン・マルシェ百貨店のアジャンダ / 企業プレミア品のミニサイズ・アジャンダ アール・デコデザインのもの多数 / 百貨店ギャルリ・ラファイエットの企業案内冊子 / 19世紀初めの契約書等手書き書類ひとかたまり / 菓子、手芸用品、洋品店等の紙袋各種 / カッサンドルがデザインした鉄鋼メーカーのPR誌『ACIER』2冊 / 同じくカッサンドルのデザインによるニコラのワインリスト / フランスの広告年鑑『PUBLICITE』の1939年版 / 1958年ブリュッセル万博でル・コルビュジエが手掛けたフィリップス館についての書物『LE POEM ELECTRONIQUE LE CORBUSIER』/ シカゴ進歩博の公式イラストブック ……などなど。
この内、カッサンドル関係以下は次回更新の時に画像入りでご紹介いたします。
今年はこの他、工具道具類や金型、アルミケース、ガラス瓶各種、紙箱入りの小物など、古本屋としてぎりぎりこの辺りまでならOKかと勝手に解釈してこれまで以上に色々と手を伸ばしてみました。こちらも詳しいご説明は店頭で、小店あるじをつかまえてお尋ね下さい。
■クリニャンクールでのこと。新感覚の古道具屋かと、いかにもそれらしく店名に「コンセプト」という言葉の交じる店に入ってみました。入ってすぐの壁に巨大なオブジェが掛かっています。象をかたどったハリボテかぁ … と思ってよぉーく見ると。これがホンモノ、首から顔にかけての象の剥製でした。壁に掛けたというより壁を突き破って顔を出しちゃったという感じです。剥製と気付いて後ずさったところには、今度は床からキリンの首から上が生えていて、私のつむじのあたりを見下ろしているのでした。パサージュに並ぶ店も古紙市に出店する店も、古本屋も古道具屋も、新感覚の店が出現し始めたパリで、今回一番びっくりしたのがこの店でした。もはや誰にもついて行けないこの堂々たる唯一無二っぷりは、店という実空間が辿りつく最終形なのかも知れないと思って面白く見てしまう自分を少々キケンだと思う程度の自覚だけはまだ残る日月堂 の2011パリ見聞のその1でした。