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11/05/28 34年前の反原爆・反原発 『プロメテウス黙示録』ほか


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■例えば、事件を予言したかのような絵画、例えば、未来を先取りしていたとしか思えない映画や小説。時に、表現者とは遠くを見通す能力に長けた人のことではないかと思うことがあります。こんな言葉にも、また。
- 「空の燃え落ちる朝あなたは知る/だろうたべけんぞうの想像的可/視世界の非日常が日常空間を崩/しすべての人々の共有する最終/世界の日常と化したことを嗚呼/終末灯を点火せよヨシダヨシエ」
いまから34年前の1977年、たべ・けんぞうの著書でヨシダ・ヨシエが協力・論説を寄せ、現代創美社より1111部限定で発行された『ヴォワイアン叢書No.1 プロメテウス黙示録』の最終頁に置かれていたヨシダのこの言葉は、原発事故のもたらした終わりのない非日常が、その物質性により地域を選ばず、その終わりのなさゆえに日常として引き受けざるを得ない、フクシマ以後の世界をそのまま表現しているかのようです。
たべ・けんぞうは幼少期を広島で過ごしたことから、1970年代から1980年代にかけ原爆をテーマとする作品を発表した作家。A4・20Pの当冊子にはたべの4つの作品 - ①1973年、たべ・けんぞうによる“壮大なキノコ雲”の展示(日本橋・ときわ画廊)、②同年、広島原爆ドーム前での映像によるキノコ雲の再現、③1975年の「BOMBA MESKALINA」。たべとヨシダによるメール・アートで瀧口修造の書斎、松澤宥の虚空間情報探知センターや、「爆弾」というネーミングによって各国税関で一悶着起こしながら北米や南米やパリに届けられという  ④1976年、「エノラ・ゲイ」の機長だった人物が米国航空ショーで原爆投下を再現したのに対してたべが呈示した作品「リメンバー・パール・クラウド」- が、多くの写真で報告され、こうした活動とその背景に関する“論説”をヨシダ・ヨシエが寄せています。


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ヨシダ・ヨシエの論説のなかには、この当時すでに「原子力の平和利用は、クリーンなエネルギー開発だとの「文明」のがわのご宣託だが、放射性廃棄物を完全に封じこめることは、方法の上でも、コストの上でも絶望的なまま、刻々と地球上に蓄積しつつある。」という指摘が見られます。この当時、すでに国の規定路線として進められていた原子力=「プロメテウスの火」への、冊子20Pという小さな異議申し立ては、こちらの方がプロメテウスの名に相応しい「先見」の書といえるのではなでしょうか。
先日来、『カメラと機関車』の著者である吉川速男という人のことが気になっていて、市場でカメラ雑誌なども捲って見るようになりました。今週は戦前の『アサヒカメラ』が6冊で出品されているのをパラパラ見ていると … 昭和11(1936)年発行の『十周年記念4月増大号』の記事「写壇 WHO’S WHO(1)」に吉川の略歴を発見、筋金入りのお坊っちゃん育ちで趣味が仕事の筋金入りの高等遊民らしきことが分かりました。この増大号では、アマチュアからプロまで、写真作品そのものをたくさん紹介しようという方針だったようで、中山岩太永田二龍、室田庫造、山内光、福田勝治などの名前も並ぶ図版多数。また、「二・二六事件」での朝日新聞のスクープまでの顛末やベルリン冬季オリンピックの写真報告、記事には板垣鷹穂、蔵田周忠、光吉夏弥などの名前も見え、広告も資生堂、ミツワ石鹸など一流で、目次のデザインを山名文夫が出掛けるなど、どうしてなかなかな点の多い約2cm厚は“充分見応えあり”です。
■今週はこの他、羽太鋭太著『うきよ診断』石角春之助『銀座解剖図』モダニズムの時代』『幻のロシア絵本 1920-1930年代』など展覧会図録が約20冊、古書趣味・書籍関係随筆約20冊などが土曜日のうちに店に届きます。

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