■今週は火曜日(すみません。もう明日です)南青山にあるママたちの強い味方・「モーハウス」で「古本ナイト」をやらせていただくことになり、この日の営業は夜7時までとさせていただきます。戦前の女性実用書・雑誌付録などを中心としたヘンな本ばかりをご覧いただきます。詳細はモーハウスのサイトで。是非ご高覧ください。尚、今週木・土曜は12~20時でしっかり営業いたしますので乞ご来店!! ■さて、今週の新着品。一つ目はフランスの理美容業界が1958年に開催したコンテストのプログラム。コクトー書き下ろしのイラストをリトグラフであしらった表紙と扉、加えてレオノール・フィニィのリトグラフ一点も収められています。コクトーの扉は二色使い、用紙はアルシュ紙使用、限定1025部の発行。当時の最先端ヘアスタイル画も多数。それにしてもこの贅沢さ、モードの都・パリのプライドでもありましょうか。
■新着品からもう一点。「始政40周年記念(台湾)博覧会御写真」。1935年に開催された台湾博覧会の写真を台北市の山下写真館が売り出したもので、紙焼き26枚に夜景をモンタージュした袋が付いています。博覧会は建築物の実験場ともいわれますが、写真を見ると実際その通り。モダン建築から看板建築、これは実験とはいわないけれど高砂族の蕃屋まであって、まさにやりたい放題の趣があります。しかも植民地時代。台湾を舞台に「日本」だらけ。南方館あり海女館あり(何を展示したのでしょう?)、奈良館のファサードは大仏だし、愛知名古屋館は五層の天守閣にああやっぱり金のシャチホコが…といった按配。さりげなく写りこんでいる人たちは白い麻のスーツの紳士や日傘を差した着物姿のご婦人たちと優雅な姿が際立って、何やら意図を感じないわけでもなく、この頃の図像というのは見るにつけ、やはり単純に面白がっているだけではいけないように思うのでした。とまれ稀品ではあります。