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09/02/28 絶滅危機 ? ゼイタク品 ! 自動車カタログとルリユール本


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イラストが素晴らしい戦前ドイツの自動車メーカー「ADLER」の商品カタログは広げるとA4で6面分の大きさ。1932~1933年頃の刊行。

■先ずは当HPについて、先週「catalogue」の刊行年順による並べ替えが可能となったのに加え、今週から「複合検索」ができるようになりました。タイトル、著者名、キーワード等々、とりあえず何でも対応してくれるこの機能、実は私自身うろ覚えの本を探すのに早速助けられている次第。少しでもご活用いただければ幸いです。HPのブラッシュ・アップはあと残すところリンクと、それから「買い物カゴ」を春には実装の予定です。こちらはいま少しお時間をいただきます。ようやく落ち着いてきた当HP、これからもどうかよろしくお願いいたします。
来月3月13日(金)~29日(日)、「深川いっぷく 調剤室ギャラリー」で「集める古紙・使える古紙」と題して、小店紙モノ部門の展示即売を行うことになりました。あの岡崎武志さんをゲストに迎えたライブ&トーク(要予約)や「いっぷくいっぱこ古本市」も開催されます。詳細については左の「その他のご案内」をご参照いただければ幸いです。こちらもどうかひとつよろしくお願いいたします。
■先週、ご時世に逆らうヤケクソな宣言をしてしまった手前、今週も新着品から“ゼイタク感優先”のセレクトでまいります。最初は戦前ドイツの自動車メーカー「ADLER」の商品カタログ。画像左上が表紙にあたる部分で、広げるとA4×6面という結構大きなサイズになり、両面がフルカラーで印刷されています。中面にはセダンとスポーツタイプの各2種・計4車種が大きなイラストで掲載されています。画像はその表紙と3面見開き部分。大胆な構図のなか、色面構成によって製品フォルムと空気の流れを立体的・動的に表し、しかも完璧なアール・デコ様式でまとめた表紙、本来メカニックに留まりがちな解説図を優美な表現にまとめ上げた手腕……と絶賛してしまうのは極私的ウィークポイントを突かれたせいでもありますが。表紙にも記されている「TRUMPF」という車種が誕生したのは1932年。優れた前輪駆動車として評価されたようで、1934年にさらに改良された「TRUMPH Jr.」は1939年までに販売台数10万台を誇ったのだとか。このことから、当カタログの刊期は1932~33年と見られます


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クロード・ファレル著、1926年限定705部発行の挿絵本『MADEMOISELLE DAX JEUNE FILLE』。ピエール・ブリッソーらよる挿画は全て銅版手彩色で8葉。当品は正統派のルリユール本に仕立てられている。

このアドラー(もしくはアードラー)社というメーカー、調べてみると戦後はむしろ自動二輪車やタイプライターなど事務用機器で知られたようですが、それも束の間、1950年代後半にはフォルクスワーゲンとオリベッティとに吸収され、雲霧消散したようで。栄枯盛衰の理といいましょうか、この度の100年に一度もまた、世界中の自動車メーカーに大打撃を与えており……GMのパンフレットもいまのうちに!?(←ゴージャスどころかサモシイ)。
ゼイタク感あふれる2点目は、クロード・ファレル著、1926年限定705部発行の挿絵本『MADEMOISELLE DAX JEUNE FILLE』(全705部の内、最も部数の多い625部本のNo.330)。肝心の挿画を手掛けているのは『ガゼット・デュ・ボン・トン』でお馴染みのピエール・ブリッソー。本文共紙ながら片面刷りの口絵・挿画8葉は全て銅版画手彩色、その他にもやはり銅版画・手彩色の章頭・章末イラストが散見されるのですが、いかにもブリッソーらしく、ドレスの動きや街角風景など、細かなところまで丹念に書き込まれたものばかりです。当品には見るべきところがもうひとつ、正統派ルリユール本であるということ。表紙はシフォン・カーフとマーブル紙を組み合わせた半革装、革とマーブル紙の間には金線があしらわれ、花布は三色の糸を使った手編み、タイトルはもちろん背に金箔押し、そして当然のように天金。「これでどうだ。」といわれているようなルリユール本の王道、贅を尽くした一冊です。「これでどうだ。」と云われたいという方、是非ご来店のほど! この他、ウェンディンゲンのフランク・ロイド・ライドの特集号を集めて復刻した『The Works of Frank Lloyd Wright』、ロシア・アヴァンギャルド関係多数を含む美術書大判35冊など、今週は古本洋書中心の新入荷となります。
 

09/02/21 GDPマイナス二桁突入記念!? ゴージャス!!金糸手編みのレース見本帖/ハイ・センス!!花の図案集


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19世紀末フランスの「バイユー・レース」見本帖。同レース編みのなかでも最も贅沢な金糸を使った作品ばかり76点の現物が貼り込まれている。

■先ずは当HPについて、「catalogue」のページにアップしている在庫目録では「刊行年の古い順・新しい順」での並べ替えができるようになりました。この「並べ替え」、catalogueをクリックしただけでは現れませんが、catalogue AまたはBのカテゴリーのいずれかをクリックすると出てきます。現状のデータ数ではあまり意味がないかとも思いますが、データ数が増えていくことを考えての気の早い装備です。データの不備等も一目瞭然となるこの機能、お時間がある時にでも一度お試しいただければ幸いです(不備についてはご指摘を…)。
今週は月曜日の「中央市大市会」にいつもの金曜日と市場が二回。支払のことは一旦忘れることにして、結果、今週の入荷点数は二桁を超えております。新着品のなかから、先ずは二度とお目にかかれないであろう1点ものをご紹介。「1891」との年号表記のあるフランス語の手書きオーダー・メモの挟まっていた金糸使いのレースの見本帖。手元にある資料にあたると、1830年代には5,000人の職人が集まり、手編みレースの生産を支えたという町=Bayeuxの名前から「バイユー・レース」と呼ばれたものらしく、上製・経本仕立ての厚紙に、くすんだ箇所のひとつとしてなく色あせず、いまも輝きをとどめる現物76点が貼り込まれています。ビーズやリボンをとり入れた非常に複雑なものももちろん楽しいものですが、やはりそれが本領というべきでしょうか、金の細い糸だけで繊細に編み上げられたレースの出来栄えには眼を奪われます。本の姿に畳み込んでしまうとせいぜい厚さ3cmほど、いかにも軽そうに見えて、しかし持った途端、不意打ちのようにずっしりとした重さが伝わってきます。


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昭和6年、京都・マリア画房発行『花乃調<全>』。木版全50図は多色刷の「絵」と、同じモチーフを使って二色刷りにした「図案」が一対で配置されている(画像内下を参照)。

ファッションについてはイラストや写真、あるいは美術館でトルソーに着せられている作品など、目にする資料は比較的揃っている分野ではないかと思うのですが、「ドレスの重さ」を感じる機会というのは実はほとんどない、ということに気付きました。さて、オートクチュール・コレクションが開催されたばかりパリからのニュースには、オートクチュールの顧客数が60年前の2万人からいまでは200人までに激減したとあります。こうした見本帖が完全な過去の遺物となるのか、これからも後に続こうという人たちへの無言の導きとなるかもまた、この度の“100年に一度”にかかっているのかも知れません。
■大ぶりの経本を開くと大胆な構図と鮮やかな色彩で花々が咲き誇る。昨年、初めて目にして落札できなかった日から、もう一度市場に出てきてくれないものかと待望していた「花」の木版画集に非常に近いものがようやく出てきてくれました。落札したのは昭和6年、京都・マリア画房から発行された『花乃調<全>』。木版全50図、全て花をモチーフとした多色刷りの「絵」25図に、同じモチーフの二色刷りの「図案」25図を対向頁に置いた構成となっています(画像下の見開き参照)。色彩感覚にせよ構図にせよ、「絵」に和を感じさせないものが多いのに対して、むしろデザイン化された「図案」の方に和風な仕上がりが多いのは面白いところ。デザイン集を意図して発行されたものらしく、実際当品では専用の帙に「礪波漆器製造所」の蔵書票が貼られています。この一冊を貼り混ぜ屏風なんていうのに仕立てて洋間に置いたらとぉーっても格好いいですよ。といったところで、うわっ。今度はSAABが経営破たんだ。今週は、GDP二桁マイナスのニュースに正直、滅入りました。この期に及んでさえ選挙のことしか頭にない(頭がない?)政治家センセイ方の厚顔には最早ゼツボーです。しかしこうして眺めてみて思いましたね-こんなご時世だからこそ、「ハイでファインでゴージャスで、何より美しいものだけを買い続けるゾ私は!」。 今週はこの他、“豪華船旅”日本郵船南洋航路関係印刷物(木版刷りメニュー、バゲッジ・ラベル等)、“高級娯楽”・戦前映画関係文献34冊、“贅沢キモノ”・戦前小紋布見本帖2冊、“高等技師”・クルップ兵器工場視察者の残したファイル他一括、“ファイン・アート”1970年代前後美術展冊子等資料関係ダンボール(大)1箱、“高価嗜好品”ワインラベル・コレクション等々が入荷いたします。有言実行です(ほんとのところは半ばヤケです)。
 

09/02/14 扁額『仏説阿弥陀教』- 経典とデジタル界の近似性 ?   


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「沙門 円空瑞元」と銘のある『仏説阿弥陀教』の墨書き写経、絹本・扁額仕立て。デジタルのドットのように文字を抜くことで余白をつくり、この余白で「南無阿弥陀仏」を浮き出させている。

■小店が入居している「パレス青山」では今後数カ月を要する外壁塗装工事のため、今週から足場の組み上げが始まりました。このため小店でもベランダ側の看板を一時撤去、さらに在席の目印になっていたフラッグも当分出せなくなりました。“100年に一度”の余波でニチゲツドウも潰レたかぁ……ってそうではなく。これまで以上にコッソリ営業を続けているだけのことですので(旗が出ていなくても)お立ち寄りいただければと思います。
無事リニューアルなったかに見える当HP(もしかしたらそうでもない???)ですが、実は現在もマイナーチェンジや試行錯誤を続けております。「catalogue」の「並べ替え」もそのひとつで、現在、「発行年度の古い・新しい順」で並び替えられるよう、データの修正を進めております。来週末までにはこれも終える予定ですので、頃合いを見計らって一度お試しいただければ幸いです。さらに「複合検索」、「買い物カゴ」といった機能についても今後の課題として現在継続作業中。速報性が命のネット上で、それに反する息の長い仕事となっておりますが、より使いやすいHPの完成まで、いま暫くお時間をいただけますようお願い申し上げます。
■来週月曜日に開催される「中央市会大市」のため、今週金曜日は神田の市場はお休み、南部支部の入札会に行ってまいりましたが食指の動くものなし(唯一「ロデオボーイ」は欲しかった。いや真面目なお話)。というわけで、今週の新着品は最近の入荷品で当コーナーでご紹介していなかったものから選びます。仏説阿弥陀教』の墨書き写経、絹本・扁額仕立て。見れば一目瞭然誰でもわかるこれだけのことしか分からない。南無阿弥陀仏は確か浄土宗の教えの中核をなす経典、しかし末尾の「沙門 円空瑞元」の円空はあの円空とは思えず、二つ捺された落款は読めず、誰の手かも製作時期も不明(といってもそう古いものではありません)。画像はこれまで3年半毎週続けてきたこの新着案内のなかでも、最もアナーキーになってしまいました。合掌。  面白い、けどよりによって南無阿弥陀仏。このご時世に南無阿弥陀仏。いや、これってむしろ厄払い。しかし私が買うべきものか。買ってどうする…と市場で散々迷った挙句、どう見たって感心するばかり、で、つい買ってしまったという私は罰あたりです。  経典ですのでもちろん全て漢字(旧漢字)、これを1文字約5mm角の墨書きで1行26文字×112行、下書きなしの一発勝負で大きさ・位置ともほとんど狂うことなく、また一か所の潰れもなく書ききった、まさに渾身の作。


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「安政六年巳年」「本銀弐 笹藤」とある『紋本帳』。家紋等紋章を集めたデザイン集には、幾何学的抽象とでも呼ぶべき図案も。 

さらに、この一文字一文字をデジタル用語でいえばドットに見立て、全体としては完全な四角形に収めつつ、ドットを抜いた余白部分で「南無阿弥陀仏」を浮き出させたところは超絶技巧としかいいようがありません(とりわけ斜めの余白のとり方など絶妙です)。緻密な構想と精緻な手仕事との結果、余白として穿たれた「南無阿弥陀仏」の書体は、まるで初期のコンピュータのフォントを見るようです。写経とデジタル・フォント。この意想外の組み合わせで示された近似性には、「古い」「新しい」という単純な区分への揺さぶりだとか、突き詰めてたどり着いた発想のもつ普遍性あるいは限界だとか、実はさまざまな思考へのヒントが隠されているように思うのも、もしかしたら南無阿弥陀仏の有難さ、でありましょうか。これで厄も落ちてくれれば尚有難く、当面は店の飾りといたしますか(店がますますアナーキー……)。
「仏説阿弥陀教」の画像に何を並べるべきか…迷った末に取り出したのが「紋本帳」説明するまでもなく、家紋等「紋章」のデザイン帖で、「本銀弐・笹藤」の墨書き、「本銀町弐丁目・笹金」「笹金」の印があるところなどから見て、キモノなどに紋を書き入れる専門の職人・紋章上絵師の家に代々受け継がれてきたものと思われます。現在店にある三冊の内、画像は安政六巳年」と表紙に書かれた一冊からデータ処理で切り抜き黒バックに置いてみたものです(実際には和紙の上に切り貼りもしくは直接描かれ、和綴されています)。ご存知黄門様の葵の御紋や九曜紋など代表的な家紋はもちろん、松竹梅に麦、筍など植物や鶴亀蝶など動物をモチーフとしたもの、ケルトを思わせる西洋風のがあるかと思えば、ここになければ紋章だとは思いもしない“幾何学的抽象”まで、デザインは多様。「何をいまさら」ながら、どれをとっても相当モダンなデザインです。何より驚くのはその精緻な仕事にありまして、画像では判然としないのが残念ですが、細部を描く非常に細い線は途切れることなく震えもせず、均質に、しかもきっちり左右対称に引かれています。かつて、キモノの紋章書き入れは、染めも仕立ても終えた最後の最後、そこだけ白く抜かれたところに直に筆を入れて完成させたのだと聞いたことがあります。紋章上絵師の失敗ひとつで高価なキモノが台無しになる可能性を思えば、この紋帳程度の仕事は当然だったのかも知れませんが、こちらもまた、手仕事による超絶技巧の凄さをいまに伝える一冊です。今週はいささか仕事が滞りました。来週からはまた気持ちを切り替えて、データの更新にも努めたいと思います。そして16日・月曜日、中央市大市の結果については……合掌。じゃなくってまた来週!
 

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