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09/04/25 薄冊ながら1点モノの『辻邸家具図案』と、小兵ながら優れモノです『細川活版所 カット輯』。


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『辻邸家具図案』 家具のデザイン画7点すべて手描き・手彩色のこの世に一冊きりの冊子。デザインはいずれもアール・デコ調。

大変恐縮ながら急告、でございます。明日4/30(木)、店は午後3時からの営業とさせていただきます5/2(土)は通常の12時~20時の営業です。勝手をいたしまして大変恐縮に存じます。何卒ご容赦の上、ご来店のほど、よろしくお願い申し上げます。
■気が付けば来週からゴールデン・ウィーク。来週からGW中の営業日程につきましては左の「営業美案内」で必ずご確認いただけますよう、何卒よろしくお願いいたします。
今週の市場には幕末から明治初期に発行された日欧交流関係の出品多数。ぅをわわわわ。こっ、これぅわわあ。という品物が並んでいるのに。ぅむむむむむむ。和本!和本!! 和本!!!…全く歯が立たない情けなさ。というのを噛みしめて帰ってまいりました。こういう機会に思いきりよく買うことでしか、本当は自分の領域拡張なんてできないんですけどぅぉあがぁああ~。…………… 新着品のご紹介です。表紙のペン書き文字も美しい『辻邸家具図案』。表紙には他に「大阪 松安洋家具店 設計部」の紙製シール(画像左下)と「日本建築協会・普通賛助会員 松安洋家具商会・安川梅太郎設計」のスタンプがあります。お金持ちに違いない辻さんという方の邸宅のために、これはいくらケンサクしてもひっかかってこなかった(今週もまたですよ)設計士の安川さんが考えたオリジナルの家具のデザイン集です。オリジナルの家具、ということはつまりこの図案集もオリジナル。応接室を構成する配置図、卓子、小椅子、肘掛椅子、安楽椅子、花台、飾り棚という7点のデザインと俯瞰図が、全て手描き・手彩色で描き起こされた7枚。これを割りピンを使って綴じ込んだこの世に一冊きりの図案集です。安楽椅子のデザイン画には布見本2点の貼り込みもありますが、そしてデジタル画像では到底お伝えしきれるものではありませんが、デザイン画だけでも十分、細部の質感まで伝わってくる見事な出来。卓子のデザイン画に描き込まれた家具の陰影、テーブル・クロスの細かな柄、灰皿から立ち上る紫煙はごく淡い緑色であしらわれ…と、これ一枚で立派な絵画として見ることができるほど。刊期は記されていませんが、アール・デコ興隆の1920年代半ばから30年代初め頃のものとみてよさそうです。


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1936年版・細川活版所の『カット輯』。活版印刷に使える図案の見本集で、収められたカットの数はおよそ400点にのぼる。活版印刷用のためか、サイズの小さいものがほとんど。

これだけの仕事を残しながら名前を残さなかった安川さん。いや、この程度の仕事なら当時ゴロゴロ転がっていたということか。いずれにしたってすごいことじゃないかと。現物をご覧いただければたちまちご納得いただけるのではないかと。思う一冊であります。
■老眼の裸眼でも網点が見えてしまう表紙のフォト・モンタージュが何だかものすごくカッコイイ『カット輯』1936年版。奥付はありませんが裏表紙に「東京・銀座 細川活版所」のロゴ(画像右下)がありました。当時既に創業半世紀、印刷業界の“名門”の地位にあった細川活版が販売していた活版印刷用図案の見本集です。全24Pに1~3cm程のサイズのカット図案およそ400点を所収。活版印刷なので当然一色刷りですが、図案のヴァリエーションは豊富。この図案をよく見ていくと…そっくりなのがマッチラベルにあった。『チラシの拵え方』に全く同じのが載ってる。ベティーちゃんにミッキーマウス。これは絵封筒の柄。と非常に多くのことが指摘できてしまいます。当時の著作権意識の大らかなことといったらそれはもう - 何しろ同じお国のキャラクター「のらくろ」まであるんですから - 小店のお客様には知っての通り。とはいえこの一冊、簡素ながら堅牢な造本、本文頁に使われている用紙と背景に敷かれた地模様、そして印刷所をモチーフとした表紙のデザインなどなど、印刷に関わる企業ならでは、細部にまで配慮が行き届いております。同時代、カット集は数あれど、この小兵の『カット輯』が何か他と違う空気を感じさせるのは、名門ブランド本来の“仕事”によるものなのかも知れません。今週はこの他、戦前の新聞記事と戦後のラベル類のファイルが入り混じるスクラップ帖が13冊建築家メンデルゾーン戦前の洋書作品集、板垣鷹穂がらみの二冊(残念ながら函欠、なのでお安く)、竹久夢二『歌時計』の元版(惜しいことに奥付欠)、都市風俗資料として清沢冽著『モダンガール』は函付完本新居至著『ジプシーの明暗』他戦前古書5冊、などが店に入ります。ちなみに私は来週から店の移転について具体的なアクションを起こす予定。どうなりますことやら。あ。この更新は来週もいたしますよもちろん !
 

09/04/18 またしてもケンサクのキーワードにひっかからないものばかり買ってしまった気がする


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『ORNEMENTS DE PERLES DES PEUPLES FINNOIS ET SIBERIENS』はエスキモーやラップなど北方少数民族の服飾&服飾小物のデザインを集めたポショワールのプレート集で、アール・デコ博におけるロシア館の産物。プレート28葉揃の完品。

■先週の長い長い一週間から一転、今週は「あ。」という間の一週間。恒例の金曜深夜の更新となりました。最初はこちら。『ORNEMENTS DE PERLES DES PEUPLES FINNOIS ET SIBERIENS』は直訳すると『フィンランドとシベリアの人々の珠玉の装飾集』といった感じでしょうか。北方少数民族に伝統的に引き継がれていた主に服飾と服飾小物のデザインを細部に至るまでポショワールで表現し、未綴じのプレート28葉にして専用のポートフォリオに収めたもので、1925年にパリで刊行されました。タイトルから「フィンランドとシベリア」に限定されたように見える当書ですが、実際にはエスキモー、ラップからタングースなどまで、地域的にはアジアを含む広範な北方系諸民族がとり上げられています。これは珍しい、いってみれば異色のファッション・プレート集。プリミティブ・アートへの関心と評価が高まっていた当時のこと、「北方少数民族のファッションにまで視線は及んでいたわけか。」程度に思っていたのですが、持ち帰ってからフロント・ピースをよくよく眺めてみれば、小さな字で、1925年のパリ万博、即ちアール・デコ博のロシア館において展示されたなかから優れたものを選んで編まれた、とあります。1924年にはレーニンが死去、スターリン体制がスタートして、一国社会主義の表明とロシア館で打ち出されたものとの連関のなかで、


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ジョン・バチュラー著『AINU FIRESIDE STORYS』は大正13年、教文館発行の初版で扉に著者の献呈署名・年月日入り。表紙には家族と思われるアイヌの人々とその住居の写真が。

こうした展示を位置づけるべきものなのかどうか、そういえば各国パビリオンの“内部”で行われていたことについては意外に手がかりが少ないように思います。慌てて今年1月より架蔵の『ARTS DECORATIFS INDUSTORIELS MODERNES』11冊の記憶を辿ってみても、北方少数民族にまつわる図版など全く思い当たらず…あの時には「これだけで十分」なんて書きましたが、博覧会の奥はどこまでいったも相当に深そうです。
北方少数民族関係ではもう1点、こちらも新着の『AINU FIRESIDE STORYS』。テキストは英文ですが、発行は大正13年、東京の教文館で当書は初版著者宣教師として北海道に渡り、圧政のもとにあったアイヌに教育や医療など温かく手を差し伸べ、アイヌ文化の記録と紹介にも大いに力のあったジョン・バチュラーです。翌年には邦訳(意訳)版『アイヌの炉辺物語』が札幌の富貴堂書房から出ていますが、この元版と思われる当書は非常に稀な上に、扉にバチュラーその人による直筆の献呈署名と年月日が入っております。上製ながら厚紙に色紙と写真を1点貼り込んだだけの表紙、B6サイズに欧文二段組みで104頁という質素な佇まいまでもが、この本の成立の精神を表しているかのようです。
■精一杯の虚勢ということでは正反対の精神というべきか何というべきか、21冊まとまって市場に出たのが『JAPAN TIMES WEEKLY』と同誌を改題した『NIPPON TIMES WEEKLY』。店に届いたところで再度確認する必要はありますが、「満洲国誕生10周年記念号」を含む概ね1942年から1943年に発行された号
 


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『JAPAN TIMES WEEKLY』と同誌を改題した『NIPPON TIMES WEEKLY』、1942~43年頃発行内21冊が入荷。フランスで戦中に発行されていた左翼雑誌に画像右端の写真と非常によく似た図版があった記憶があります…。

1942年から43年といえば日本がガダルカナルやアッツ島で敗戦、第一回学徒出陣へと至る時期にあたり、誌名も発行元の社名も(「ジャパン・タイムス社」から「日本タイムス社」へ)変更されていて、時代の暗さを感じさせます。戦時下を代表する日本の対外広報誌といえば『FRONT』と『NIPPON』。確かにこの2誌の全編を通じた高いクオリティと比べると物足りなさはあるものの、画像のような表現はあちこちに散見され、前記二誌に比べれば断然格安なこうした雑誌も「いまのうち」な気がします。この雑誌、落札しようと思ったのは実は裏表紙。満洲衛生実験所、東亜旅行社など、毎号出稿が変わるフルカラーの広告は完成度の高いものばかりで、この広告だけでも十分価値あり、と見ます。今週はこの他、柳瀬正夢装丁書を含む戦前の左翼文学・思想書12冊明治期の木版刷り・古代更紗図案集二冊組なども新着、前回新着をご案内した戦前の洋書類も明日からは店に出す予定、またcatalogueデータも少しずつアップ作業中です。ついでにもうひとつ。前回の更新でご紹介した『西洋料理献立』の画像左端、晩餐会メニューの表紙に描かれた人はどうやらフランツ・ヨーゼフのようです。例によってお客様のご教示によって判明したことで、自分の不勉強とお客様の有難さとに改めて感じ入りました。不勉強な古本屋だからこそ、どんなに苦労が伴おうと、やっぱり店はやめられないという次第であります。

 

 

09/04/12 働き倒した長い長い一週間の釣果や如何に…?


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1910年=明治43年の10月から12月までに催された28点に及ぶ饗宴のメニューとプログラムのコレクション。画像中央は日本郵船25周年記念祝賀会の手描き挿絵入りフルコース・メニューと扇型のコンサート・プログラム。

■まだまだ残務は残るものの、店の営業もHPの更新も、来週からはまたいつものペースに戻ります。改めて、よろしくお願いいたします。復旧のとっかかりがこの新着情報、いつもの通りいずれも市場からとれたての情報を。4月7日の仕分けの段階から、何はおいてもこれだけは絶対落札したいと思っていたのが最初の画像。金文字で『西洋料理献立』と刻まれていた深い緑色のアルバムは、1910年=明治43年の10月から12月までに催された饗宴のメニューとプログラムのコレクションです。1Pに1点の貼り込みで28点。エンボス・金箔押しの“菊の御紋”があしらわれた - 普通ならそれだけでひれ伏すべき-のはこの一冊にあってはごくフツウ、画像左の「石版+コロタイプ+手彩色+エンボス・金箔押し」や手彩色どころか挿絵手描き、画像真中の凝りに凝った逸品(よぉーくご覧下さい)、他にもパーチメント(羊皮紙)や絹布を使ったものなど、これだけ贅を凝らした紙モノの集合体は正直云って初めてです。しかし表だけ見ていてもつまらない。午餐、晩餐、祝宴で供された料理の表記はフランス語の正統派表記&組版あり、フランス料理の漢字&カタカナ併記あり英文ありと多彩。献立内容-例えば「鱒與牛酪製掛汁」だとか、詳しい人間に聞くところによると特級クラスのワインが並んでいるそうで-では翻訳センスから高級食材の当時の生産もしくは調達方法まで「?」が浮かんでくるし、と、細部まで興味は尽きません。また、この短期間のうちに明らかに一人の人物が列席した供宴の多くが「清国公使館」がらみであることなどからは、本来この一冊には歴史的な意味があるはずで。例えば画像左端の晩餐会のメニューに描かれた人物は誰なのかも


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1937年発行、『OLYMPIA DER ARBEIT』。青少年向けナチス・プロパガンダ写真集。

-てっきりビスマルクだと思っていたのですが、調べてみると1998年には亡くなってました。何と迂闊な-きちんと調べるべきものだと思っております(すみません)。ハプスブルク家を表す双頭の鷲の紋章入り舞踏会のプログラムや、ほとんど苦肉の策としか見えない日本語に置き換えられたフランス料理のネーミングは、そのまま欧化と格闘した日本の歴史的痕跡ともいえましょうか。辛くも再改めの上札で落手したアルバムには、単なる紙モノフェチではなく、これからは古本屋が紙モノを扱う意味をもっと深く考えて仕事に励めよと諭されている気持ちになります。まだまだ勉強かぁ……という意味でも思わず溜息がもれる一冊です。
『西洋料理献立』の次に、「これは買いたい・買えればいいけど・買えないかも…」と思っていたのがお次、こちらも再改めの上札での落札。市場は過酷ダ。『OLYMPIA DER ARBEIT』、即ち「仕事のオリンピック」の副題は「豊な職種の場で競い合う若き労働者」。なるほどオリンピックな視点で編集された写真集は、ベルリン・オリンピック成功の熱も冷めやらぬ1937年発行の初版です。冒頭にテキストが11P、あとは1Pに1点の写真が全部で72点、レニの映画に触発されたかのような輪郭のぼんやりした写真あり、大胆なパーステクティブのカットあり。いかにもナチが好きそうなマッチョなお仕事が多い一方で、美容師や芸術を志す若者まで取り上げているあたりは少々意外。ハーケンクロイツは随所に織り込まれておりますが、しかし、総統が登場しないことには! ということでしょう、後半はナチスの大会での様子や激励する総統の姿なども勿論収められています。「健全さ」を絵に描いたらこうなる、という以外に批評のしようのない写真をとった人物の名前はHAHN=HAHN。生返事のようなこの名前、こんな写真を見ても話半分にしときなさいよ、なんていう冗談だったら面白いのですが相手がナチスでは怖すぎます。只今現在交通広告大量投入中のオリンピックTOKYO招致の先頭に立つ人物のアタマの中にある「健全」イメージも実はここにある写真に近いのではないかと思うとそれもコワイと、この写真集冒頭、反面教師として置かれた咥え煙草の少年のポートレートにより近しいものを覚える私は思うのでした。ともあれナチス関係の書籍としては珍しいもののひとつかと思います。新着品はこの他、ナチス・プロパガンダ関係10冊、アトラス3冊揃い、解剖学3冊揃いなど戦前の洋書を中心に、モランディの画集1冊、アメリカ・インディアンの装飾図案・手彩色プレート集、人文系図書40冊、翻訳文学30冊など。来週から店の品物も少しずつ入れ替える予定です。
 

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