■長いゾと思っていた「印刷解体」も残すところあと一週間ほどとなりました。会期半ばになると、メモを見ながら活字とニラメッコする方たちがちらほら。買い忘れたり、やっぱり必要だと気付いたり、そうした文字を探してやろうとご再訪くださる方たちの姿なのですが、その熱心さには実に頭が下がります。本当に有難うございます。画像は三年目にしてようやく拾えた「日月堂」その他の活字。残る空白を埋めるべく、今週月曜日と水曜日に私も再度、文選に挑戦の予定です。会期終了まで、くれぐれもお買い忘れと心残りのございませんよう、みなさまどうぞよろしくお願いいたします。 ■というわけで月・水はロゴスギャラリー、金曜日は市場をハシゴの予定。ですので今週、店は通常の火・木・土曜日、12時~20時での営業となります。店の方もひとつ、お忘れなく。みなさん忘れてるみたいですけど…。
■一週間、市場を休むと勘が鈍るのか、買いにあせるのか、どうも調子がつかめません。やっぱり市場は通わねばいけません。というのは言い訳でして、今週の新着品はごぉーく僅かになってしまいました。画像は『巴里1955年 芸術の綜合への提案-ル・コルビュジエ レジエ ペリアン 三人展』の図録。“コルビュジエの壁画やレジェの陶器に、ペリアン夫人の室内装飾を配した全体の構想”のもとに開催されたという、超豪華な展覧会の図録です。図版は勿論、詳細な出品目録が付されていて、資料的にも貴重なものといえそうです。とはいえ、この日は最も熱望した戦時中の「日産」のカレンダーを1800円差でもっていかれてガックリ。たかが1800円差、されど結果は100かゼロ。例え10円の差だとしても、落札と不落札の間には、深いふっかぁーい川が横たわっているのでした。日月堂、まだまだ修行が足りません。
■先週は「印刷解体週間」のため、店はほとんど休業状態でご迷惑をおかけいたしました。しかし今週、店は通常の火曜・木曜・土曜日営業の予定です。また、「印刷解体」会場には、水曜日・金曜日それぞれ夕方からは貼り付いております。 ■今週は新着情報にかわって「印刷解体vol.3 LAST!」会場からのご報告。三回目となった今年、活字についてはおそらく今回が質・量とも最も充実したものになりました。会場の雰囲気も、印刷所で見る風景に一番近い感じになったと思います。三日間で販売した活字の点数は2千点を突破!量り売りなどは10グラムで1点と換算しているので、どれだけの数の活字が旅立っていったのか、すでにカウント不能です。お求めいただいた皆様のもとで、どのように存在し続けてくれるのか、もしよろしければ「活字のその後」など、お報せいただければ幸いです。私も今年こそ、「日月堂」の文字を拾います!和文も欧文も各書体で…しかし老眼で拾えるか。文字のあるなしよりむしろそっちが心配だぁ。 *会場風景、商品等については、田中栞さんが「田中栞日記」で豊かな知識を交えて詳解してくださっています。こちら から是非、ご高覧ください!!
■みなさん、ご来場の折には欧文活字の側面をよぉーく眺めてみてください。多くの活字に○にYの字のピンマークが刻まれているはずです。このピンマーク、日本初の欧文活字専門の鋳造・販売会社として昭和22年に創業された晃文堂の印。他にもお客様が岩田母型のピンマークを発見されたり、作字された活字をご指摘してくださったり、会場のなかにまだまだどんな秘密が眠っているか、お楽しみは続きます。 ■会期二日目には嘉瑞工房の高岡重蔵氏もご来場、K.K氏が長い間大切にしていた嘉瑞工房製『えげれすいろはむだばなし』を手に入手の経緯をお話すると、高岡氏とK.K氏とは様々なご縁があったことが判明。確かに不思議はないとはいえ、しかしK.K氏が日月堂を訪ねてこられたのも「印刷解体」がきっかけだったのではないかと推測している私としては、この催事がもたらしてくれたものの大きさに、改めて惜別の情も募りました。愛着のある催事です。最終回の最終日まで、手を緩めることなく仕事に努めますので、一度といわずに二度三度、ご来場のほど、よろしくお願いいたします! ■活字・活版好きのみなさまに朗報をひとつ。ただいま我が日本で、本国イギリスでは製造打ち切りとなった卓上活版印刷機「アダナ」の再生プロジェクトがスタートしています。いつか「アダナ」を我が物にと思っていらっしゃるみなさま、先ずは「印刷解体」で活字のご用意を始められてはいかがでしょう…。って。なんだ。やっぱり自分のところの宣伝になっちゃった。プロジェクトの詳細については、また日を改めておしらせいたします!
■9/29・今週金曜日より、いよいよ「印刷解体vol.3 LAST!」がスタートします。日月堂の今年の目玉はやはりケルムスコット・プレス版(8/26付のインフォメーション参照)。また、築地活版製造所印刷の和仏・和露の各字典、慶応2年刊行の開成所版『英吉利文典』など、シブいラインナップで臨みます。勿論、古い包装紙やラベル類、印刷見本・紙見本などおなじみのものから、世界各国の紙幣・証券、戦中戦後の配給券といった変り種まで、得意の「紙もの」も充実して、皆様のご来場をお待ちいたしております! 詳細は、ロゴスギャラリー 印刷解体vol.3 をご覧ください。なお、良心的価格設定の名刺の受注相談会も空きが少なくなってきました。こちらは早い者勝ちですので、ご希望の方はお早めにお申し込みください。 どうか会場で、ひとりでも多くの方にお目にかかれますように!!
■「印刷解体」展のため、9/27(水)~10/2(月)の間、店はお休みとさせていただきます。また、特集目録、雑書目録等の受注に関しても、この間はご返信できなくなります。ご容赦のほど、お願い申し上げます。 ■画像は今週の新着品から。数年に一度、市場で「あれが買えなかったら泣いちゃう…」と呟くS書林さんではありませんが、日月堂、これが買えなかったら泣いていたかも知れない『photo and advertising』は1930年にブダペストで発行された広告写真集です。ドイツ的新興写真+ロシア構成主義的エディトリアルデザイン+バウハウス的タイポグラフィ=ハンガリー構成主義とでもいいましょうか。とにかくどの頁も完成度の高さに瞠目させられます。ただし、著者もデザイナーも聞いたことがなく、また新たなナゾを抱え込むことに……かようにして、「ワケのわからないモノ好き」な古本屋の宿題は、確実にひとつずつ増えていくのでした。あああ。