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11/04/09 それでも花は咲く春に 新着品は小石清、無名氏、そしてカッサンドル


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■自宅隣の小学校の桜が、今日は七分咲きとなりました。徹底的な力でもって、無慈悲に、破壊の限りを尽くした同じ自然が、一方では人の心を慰撫する花を咲かせています。ここ数年では比較的遅く、東京にも春が到来しました。被災地への一日も早い春の訪れを祈り、また、放射性物質のことなど一時忘れて、この週末には私も静かに桜を眺めたいと思います。さて、今週も新着品のご案内です。やはり手短に。

1点目は小石清著、玄光社・昭和13年刊行(第6版)『撮影・作画の新技法』。戦前、我が国新興写真芸術の分野で『初夏神経』という貴重な仕事を残した小石清による、写真技術に関する実用書です。実用書ではありますが、あくまで“新”- 「新しい」技法をアマチュアカメラマンに伝授しようという意図で書かれただけに、目次には赤外線撮影、ソラリゼーション、合成写真、フォト・モンタージュ、などといった項目が並ぶという、前衛的手法に終始した内容です。飯沢耕太郎著『都市の視線』によれば、当書は“彼(=小石)の写真技法を集大成した”ということで図版も充実。それぞれの技法によってつくられた小石の作品が、口絵として22点(『初夏神経』からの図版引用含む)、その他本文中にも多数の図版が引用されていて、小石の作品集として見ても充分。正方形の判型にテキスト横組み、函や表紙の瀟洒な装丁は恩地孝四郎によるもので、本体表紙平に少し汚れがある以外、全体に良いコンディションが保たれています。




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■『撮影・作画の新技法』の初版発行は昭和11年。そこから遡ること3年、昭和8(1933)年に岐阜にあった学校の卒業アルバムに、合成写真やフォト・モンタージュなど、新興写真多数を見つけました。『武義(むぎ)中学校 卒業アルバム』。一体どういう人の仕事だったのかは、最終ページにある「Photo By Suda Studio」とあるだけで詳細は全く不明ですが、まるで心霊写真のようになってしまっている「化学部」の写真などもあり、いずれにしても卒業アルバムがこんなにゼンエーで大丈夫だったのかと他人事ながら心配になる、ある意味とても希有な一冊。ではないでしょうか。



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今週はもう一点、先週落札した洋雑誌に挟まれていた紙モノ。カッサンドルとルポーが共同で設立したグラフィック・デザイン会社「アリアンス・グラフィック社」のカード。葉書大のサイズで表側は1930年にカッサンドルが描いた強化ガラス「トリプレックス」のポスター用原画をシルクスクリーンで刷り込んでいます。小石清の『撮影・作画の新技法』に話を戻すと、マン・レイの作品に触発されて研究を重ねたというソラリゼーション技法の代表作「ピストン狂騒」の構図は、1927年のカッサンドルの、ポスターには採用されなかった「北方急行」原画の構図と非常に共通点が多く、当時小石に見るチャンスがあったのかどうか、或いは共通する時代精神の成せる業なのか、興味深いところです。





11/04/02 ヨーグルトが買えないままタイトロープ上をゆく 鈴木乃婦子 & レオ・シロタ公演の記録紙片と戦前のグラフィック表現 


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■今週はトイレットペーパー購入に向けてやっと光明が見え始めましたが、震災以降、ヨーグルトはまだ一度も買えていません。計画停電にからんで量産が難しいというヨーグルトの品不足はよく分かりますが、しかし、朝食用に、ないとなるとちょっと不便なシリアル食品がある日忽然と姿を消した理由は一体何だか解せません。新聞によれば、宮崎駿氏が自分と同じくらいの歳の人が水を買おうと並んでいるのはけしからんと怒っていたそうですが、そんなこととは関係なく、私は蛇口から流れ出る水をフツウにどんどん飲んでいます。「東京水」っていうのと同じでしょうか、悪くありません。もうこのトシですから放射能の多少を心配したところで大勢に影響なんてないでしょう。家や店やどこにいても、蛇口から好きなだけ水をくみ出せるという、その単純であたりまえのことですら、すでに充分恵まれていると思わざる得ない被災地の現実を、今週もまた、たくさん目にしました。
原子力発電所の補助金をめぐる市民の「ご意見」と当該自治体の懇切な回答とを公開していた某県の某公式ウェブサイトの某ページには、ある日突然アクセスできなくなりました。こうした対応こそが不信を生むのではないかと老婆心ながら。当初、誠に不運な自然災害と見ていた原発事故は、記者会見の回数を重ねれば重ねるほど、「人災?」(という、一応最初は疑念)が「人災!」(という、もはや確信)へと変わりました。いまも放射性物質の危険に曝されながら、おそらくは激しい恐怖と隣り合わせで働く現地の人たちの献身が、一日も早く報われることを祈るばかりです。
グーテンベルク以来550年ぶりのメディア革命と、1000年に一度の大震災と、国際社会としてはほとんど初となる、世界的技術を結集してことにあたらねばならないレベルの原発事故とが重なって、 おそらくは長期にわたる冷え込みのなか、どこまで行けるか分かりませんが、小店もタイトロープの上での危うい綱渡りを続けていくしかあるまいと観念しています。



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なので商売。ならば新着品。ですが、今週も売り言葉は短めに。最初の画像は大正末から戦前まで、日本国内で開催された演奏会のプログラム、パンフレット類20余点。その多くがピアノのレオ・シロタと声楽の鈴木乃婦子が組んでいたものです。レオ・シロタは昭和4(1929)年から17年間にわたり日本に留まり、演奏家としてばかりでなく指導者としても活躍。今回入荷した演奏会で、鈴木のピアノ伴奏者として度々その名の記された藤田晴子もシロタの門弟だったとのこと。シロタが日本に来るかけとなったのが山田耕作とのハルビンでの出会いであり、シロタ得意のレパートリーのひとつがバレエ・リュスのためにストラヴィンスキーが作曲した「ペトルーシュカ」だったそうなので、山田とシロタの間でディアギレフのバレエ・リュスの話題を交わすことも多かったのではと想像します。シロタ& 鈴木の他、『オルケストラ シンフォニカ タケイ 創立20周年記念演奏会曲目』の小冊子や、三浦環、小倉末なども出演した『紀元2600年奉祝・日独伊同盟祝賀 記念演奏会』のプログラム(演目のみ)などもあり、こちらは出演メンバーや主催名などの系統で、何口かに分けての販売を考えたいと思います。

■花見も自粛の相次ぐ今年、表紙の意匠が少々不謹慎かも知れませんが、2点目は名取洋之助の率いた日本工房による対外広報誌『COMMERS JAPAN』の1939年5月発行・第5号。センター中綴じ部分に丸く切り抜いた地球をあしらうなど、非常に手のこんだ雑誌です。


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当誌については16号まで発行されたと見られていますが、不思議とこれまで小店が扱ってきたのはこの5号のみ3回で、内2冊は切り抜き、1冊は裏表紙に激しい痛みと、なかなか思うような状態の品物が手に入らずにいたのですが、今回はようやく文句のないコンディションでの入荷となりました。

こちらはドイツのグラフィック・デザイン専門誌『GEBRAUCHS GRAPHIK』、久しぶりに15冊ほどまとまって入荷いたします。画像の内、下段の右の表紙はカッサンドルによるもの。数冊を除いて小店に在庫があるものと別の号ですが、15冊中10冊は何らかの瑕疵(切り抜き、書き込みなど)があるため、その分安くして店頭に出します。なかにはご存知の通り、ウォールツールとしても充分通用する片面刷りの印刷見本が数点綴じ込まれているものもあってお買い得のはず。この機会に是非ご覧下さい。

■今週はこの他、先週とは別の号の『ARTS ET METIERS METIERA RAPHIQUES』3冊、インダストリアル・デザイン関係組織発行の専門機関誌『造』10冊、『L’illustration』は12月=クリスマス号ばかり3冊『ピストル旋風時代』『女性西部戦線』など戦前の書籍4冊、などが本日4月2日の午後少し遅めの時間に店に入ります。





11/03/26 テレビからAC以外の広告が、スーパーから商品が消えて-『ARTS ET METIERS GRAPHIQUES』と『POPAI AWARDS』


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■2週間ぶりとなった神田の市場で、3月11日、古書会館から三々五々、散って行った同業者の方たちと久しぶりに顔をあわせました。都心に近いご自宅まで、一向に動かない自動車に半日も閉じ込められた人や、都内近郊のお店に朝4時に辿りついたという人、5時間ただひたすら歩き続けたという人も居れば、お酒を囲んで朝まで過ごした人たちがいて、そんな報告をのどかに交わしているその間にも、一方では依然、物資や助けの手を待ち続ける大勢の方たちがいて、そしてまた、この先ひとつでも間違えれば国土の1/4或いは1/3を“あきらめざるを得ない”かという危うい綱渡りが続いています。
表参道では、原発事故以来、ずっと店を閉じていたプラダ、カルティエ、クロエなどの海外ラグジュアリー・ブランドが今週になって営業を再開、根津美術館も閉館時間を繰り上げて再び公開を始めましたが、小店から表参道の駅に至る道など、夜7時をまわる頃にはひっそりと静まり返って、まるでゴーストタウンのような様相を呈しています。
自宅近くのスーパーマーケットでは、商品のない棚が延々と続くという、社会主義体制崩壊前のソ連とそっくりの光景を何度も目にして、これにはその度に笑わされました - まさか自分が生きているうちに東京でこんな風景を目にすることになろうとは!
昨晩のニュースは、フクシマでは原子炉から放射線が漏れだしている可能性まで指摘していました。
これら全てが、いまからたった2週間前の、午後3時少し前までは、一片たりとも想像していなかったことばかりです。生々しい非日常の風景を次から次へと目にすると、日常的な仕事や生活といったものの方がむしろ非日常的に感じられて、商品の売り言葉を延々と書き連ねるという気持ちになかなかなれず、当新着品ご案内は今週もごく簡単に済ませます。



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今年、古紙市などパリでは上手く見つけられなかった『ARTS ET METIERS GRAPHIQUES』1934~1936年発行分の内、5冊が入荷いたしました。グラフィック・デザイン専門の雑誌ですが、モダニズム期のタイポグラフィからポスターテザインはもとより、民衆版画や注目の画家の紹介など美術的なフィールドまで視野に入れ編集されています。1号につき2~5点前後の現物貼込があるのも魅力的です。
■プラスチック製の背に『POPAI AWARDS』とあるのは、アメリカの「店頭広告協会(=Point-of-Purchase Advertising Institute)」が毎年開催するコンテストの優秀作品を集めた年鑑で、1964年の『FIFTH ANNUAL MARCHANDISIN AWARDS CONTEST 1964 WINNERS』から6冊が入荷しました。ボールペンのBig、洗剤のDash、CokeやPepsiなど、当時の日本にとってはまだまだ憧れだった、モノの溢れる豊なアメリカの姿です。
今週はこの他、プロダクト・デザイン関係の洋雑誌数種約30冊英仏翻訳文学約50冊、編集者宛て・朝吹登水子書簡及び葉書30通、『ガゼット・デュ・ボン・トン』など1910~1950年代のファッション・プレートやグラビアページを接写・紙焼にしてファイル化(=資料化)した写真アルバム約30冊、そして「営業日案内」の画像に使ってみましたフランスの古いボタンとアンティーク・レースのコレクション(バラ売りの予定)などが入荷いたします。
店はすでに火・木・土曜日の各日12時~20時の通常営業に戻りました。現況を考えると、ご来店は躊躇される方もおいでかと存じます。お目に留まる商品等ございましたらお問い合わせ下さい(とくに説明を要すると思われる消費なについては、お電話でお問い合わせいただけると助かります)。何卒よろしくお願いいたします。



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